時計用語辞典 ムーブメントパーツについて
ムーブメントパーツには
以下のものがあります。
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ヒゲゼンマイ (ひげぜんまい) / balance spring
テンプの天真(中心軸)に取り付けられている金属製の帯のような形をし、渦巻きのように巻かれているスプリング状のもの。
ゼンマイが巻きあがるときに動力が蓄えられ、ほどける力が歯車に伝えられ、この力が左右の一定振動に切り替えられている。
ゼンマイの幅、厚さ、長さはトルクに大きく影響する。
ゼンマイの受ける力を一定にするためにS字状をしている。
合金で作られることが多い。更新日: 2013年04月18日
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香箱 (こうばこ) / barrel
ムーブメントにあるゼンマイを収めているの箱のこと。
円柱形をしている。更新日: 2012年10月03日
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香箱車 (こうばこぐるま)
ゼンマイの外側に取り付けられている車のこと。
ゼンマイのほどける力を歯車に伝える役割をしている車。
ちなみにゼンマイの一番内側は香箱芯という軸に取りつけられている。更新日: 2013年02月08日
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香箱真 (こうばこしん)
ゼンマイを巻きつけるための棒状の中心軸のこと。ムーブメントの香箱にある。ちなみに巻きつけられたゼンマイの外側は香真車という車とつながっている。
更新日: 2011年10月27日
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輪列 (りんれつ)
機械式時計ではゼンマイのほどける動力が歯車に伝わり次々と連動しているがその歯車の集まりのこと。
2番車、3番車、4番車と次々に動力が伝わり、その力がガンギ車で一定振動に切り替えられている。更新日: 2012年10月09日
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石 (いし)
ムーブメントに使われている軸受のこと。
テンプや歯車などの軸を支える役割をする。
回転時に摩耗するのを防ぐため、摩擦に強い天然ルビーが使われることが多い。
内側は穴石、外側は受け石という。
石の数が多ければ多いほど良いとされる時代もありました。更新日: 2013年03月14日
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テンプ (てんぷ) / balance
機械式時計の心臓部の事。
一定の速度で振動する円形の金属。更新日: 2012年09月28日
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アンクル (あんくる) / anchor striker
T字型をした金属でガンギ車と共にテンプに対して往復運動するための力を与えるもの。
T字型の先には2本のルビーがはめ込まれ、それぞれ「入りづめ」「出づめ」という。
アンクルは「アンクル真」という軸で支えられてこの軸を中心に左右に動くことが出来る。更新日: 2012年10月05日
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ガンギ車 (がんぎぐるま) / escape wheel
アンクルとかみ合って、ゼンマイから輪列に伝わってきた動力を一定運動に切り替える役割をしている車のこと。カギ型の特殊な形状をしている。
更新日: 2011年10月28日
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ほぞ (ほぞ) / tenon
歯車の軸の両先端にある細い部分のこと。
この『ほぞ』が『ほぞ穴』にささって歯車を支えている。更新日: 2012年10月05日
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ほぞ穴 (ほぞあな) / mortise
歯車を支えている「地板」、「受」という板にあいている穴。
歯車の軸の両先端の『ほぞ』という細い部分がこの『ほぞ穴』にささって歯車を支えている。
時計だけでなく建築などにも用いられる手法。更新日: 2012年10月18日
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ミーンタイムスクリュー (みーんたいむすくりゅー) / mean time screw
緩急の調整を行うためのウエイトの役割を果たしています。ロレックス等のテンプに4つだけ付いているのはこちらになります。
アンティークの高級な懐中時計などには、金無垢のチラネジに対しミーンタイムスクリューはプラチナ製かつ、ネジの部分が長いものなどがあります。更新日: 2013年04月09日
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チラネジ (ちらねじ) / balance screw
振動周期を調整する役目を果たします。
古い時計や高級機に良く見られますが、現在ではテンプの製作精度が上がり、またコストがかかることからあまり採用されることはありません。
外観の美しさから装飾用に用いられることもあります。更新日: 2013年06月25日
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ヒゲ持ち (ひげもち) / stud
現在の時計では可動ヒゲ持ちという、移動することで片振りを修正することができるのタイプのものが一般的です。
更新日: 2013年08月29日
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ちょうちんひげ (ちょうちんひげ) / helical spring
ひげゼンマイの中でも巻き上げ効率が非常に高く、このちょうちんひげとデテントクロノメーター脱進機を組み合わせ、文字盤を上に向けたまま衝撃を加えないようにするととても高精度な機構になります。
しかしその形状から薄い腕時計のムーブメントに組み込むのは難しく、主に航海用のマリンクロノメーターやポケットクロノメーターなどに搭載されていました。更新日: 2013年04月16日