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時計用語辞典

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時計用語は431個です。

30秒クロノグラフ (30びょうくろのぐらふ) 30 seconds chronograph
30秒でクロノグラフ針が文字盤を一周するタイプのクロノグラフです。30秒単位での時間の計測が可能です。
EFAS機能 (いーえふえーえすきのう) external fine adjustment system
ブローバが開発した、裏蓋を開けることなく外側から腕時計の精度を調整することのできるシステムのこと。
リューズとは別の部分に備えられたEFASクラウンを専用キーで左右に捻ることで+と-の歩度調整が簡単に行えます。この技術により従来は時計技師のみが可能だった精度の微調整が着用者自身で行えるようになりました。
EOL (いーおーえる) end of life indicater
クォーツ式時計のバッテリーが少なくなるとアナログ表示の時計では針の動き方が4秒もしくは2秒ごとに変化し、液晶表示の時計では数字が点滅しはじめることで電池が切れそうなことを知らせる機能です。 針の動きは不自然ですが、正しい時刻を表示しています。
ETA社 (えた) ETA SA Manufacture Horlogère Suisse
スウォッチの系列会社でムーブメントを供給するスイスのムーブメント業界では最大規模の会社。
エタと読みます。
近年では西ヨーロッパで製造される機械式腕時計の大半がETA社のベース機械を購入して(あるいは手直し)使用している。
1982年にスウォッチの生産を開始し、1983年にSMHグループ(現在のスウォッチグループ)を結成。
1998年からニコラスハイエック率いるスウォッチグループの傘下となった。
世界で最も有名なムーブメントファクトリーです。
ETA社の制作したムーブメントのは専用のホールマークが刻印されています。

エボーシュメーカー。
GMTウォッチ (じーえむてぃーうぉっち) GMT watch
第2時刻以上の、海外時間も同時に読み取れる機能を持つ時計のこと。
24時間針(GMT針)と24時間目盛りにより世界標準時や、 他のタイムゾーンの時間帯を表示させる機能を持つ腕時計です。

一つのリューズで「ホームタイム」と第2時間帯である「ローカルタイム」を操作するものが大半ですが、回転ベゼルを使って第3時間帯を表示するものやインダイヤルで第2時間帯を表示するもの、これら2つを組み合わせた複合タイプのものもあります。

ちなみにGMTとは世界標準時(Greenwich Mean Time)の略称で、イギリス・グリニッジの現地時間が世界標準時として定められており、日本とは時差が9時間あります。
また単に「GMT」と表記してGMTウォッチのことを指す場合もあります。
最近では"UTC"と表現することが多い。
グリニッジ・ミーン・タイム。
K18 (けーじゅうはち) l8‐karat gold
金の含有率が75 %であるもの。
金の純度は24分率で表されるため金の含有率が18/24で75%ということ。
ホールマークには750と表記されています。
純金は純度が99.99%以上のものと決められておりこれを24Kとしている。
『24』が基準になっている理由としては歴史上最初に金を使い始めたといわれているシュメール人のメソポタミア文明では太陰暦などで数字を24分率で計算していたためといわれている。
K18などをアクセサリーにする場合、混ぜる金属の種類や配合率によって色が変わる。
イエローゴールド、ピンクゴールド、ホワイトゴールド、グリーンゴールド、レッドゴールドなどがある。
一般的にK18といえばイエローゴールドを指す事が多い。
Kとはカラットの略です。
宝石のカラットは、KではなくCなので注意。
NASA時計テスト (なさとけいてすと) NASA watch test
NASAがアポロ計画で使用する公式クロノグラフを選ぶために行ったテストのことで、長時間の温度耐性(93℃~-18℃)、落下テスト、圧力耐性(高圧、低圧)、耐振動、2日間の酸素濃度100%環境下での耐性など11項目に及んだ厳しい内容でした。
NASAが一次選定の際に見積もり依頼を行ったとされるメーカーはエルジン、オメガ、グリュエン、ハミルトン、ブローバ、ベンラス、ミドー、ルシャン・ピカール、ロレックス、ロンジンの10社とされ、見事採用を勝ち取ったのはオメガのスピードマスターでした。
OEM (おーいーえむ) Original Equipment Manufacturer
供給先のブランド名を使用して製品を作ること一般の総称です。 時計メーカーでは国産のシチズンがポールスミスブランドの時計、オリエントがPUMAブランドの時計を製作するなどしています。 時計専門用語ではなく製造業では一般的な言葉。
PVD (ぴーぶいでぃー) physical vapor deposition
金属の表面に薄膜を作ってコーティングする技術のことです。
チタンやジルコニウム、炭化水素などを加熱し、蒸発・イオン化させてコーティングしたい物質の表面に付着させる、つまり「蒸着」させる技術です。
本来は工業用の金属パーツや工具の耐久性を向上させる目的で使用されていました。
時計のケース用としては、耐久性に加えて装飾性も向上するため、最近よく見かけるようになりました。
主にオールブラックなどのイメージが強いですが、ゴールドやピンクゴールドをはじめ、ブルー、ブラウン、ブロンズなど最近では多様化しています。
PVDに似た加工でDLC(ダイヤモンドライクカーボン)というのもあります。
ちょうちんひげ (ちょうちんひげ) helical spring
ひげゼンマイの中でも巻き上げ効率が非常に高く、このちょうちんひげとデテントクロノメーター脱進機を組み合わせ、文字盤を上に向けたまま衝撃を加えないようにするととても高精度な機構になります。
しかしその形状から薄い腕時計のムーブメントに組み込むのは難しく、主に航海用のマリンクロノメーターやポケットクロノメーターなどに搭載されていました。
つく棒 (つくぼう)
革ベルトのストラップの一部の、穴に差し込んで固定するための小さな棒状のパーツのことです。
ほぞ (ほぞ) tenon
歯車の軸の両先端にある細い部分のこと。
この『ほぞ』が『ほぞ穴』にささって歯車を支えている。
ほぞ穴 (ほぞあな) mortise
歯車を支えている「地板」、「受」という板にあいている穴。
歯車の軸の両先端の『ほぞ』という細い部分がこの『ほぞ穴』にささって歯車を支えている。
時計だけでなく建築などにも用いられる手法。
アイボリーダイヤル (あいぼりーだいやる) ivory dial
黄味がかった暖かみのある白文字盤のことで、主にアンティークウォッチなどで見られます。
パテック・フィリップのカラトラバオメガのアンティークグランドセイコーの各モデルなど主にドレスウォッチで採用されることの多いスタイルですが、スポーツモデルであるロレックスのエクスプローラーⅡRef.16550にもこのタイプの文字盤が存在し、特にこのモデルのことを指してアイボリーダイヤルと呼ぶこともあります。
アカデミー (あかでみー) Horological Academy of Independent Creators(AHCI)
独立時計師協会のこと。
通称『アカデミー』という。
1985年にスイスのジュネーブに設立されました。
アガキ (あがき) shake
歯車と歯車間の隙間、受石と歯車の真軸などの接点にある隙間(あそび)のこと。  
アクリルガラス (あくりるがらす) acrylic glass
アクリル樹脂でつくられたガラス。
有機ガラスともいう。
また、単純に"プラスチック"などと呼ばれることもある。
柔らかく傷がつきやすいが研磨など加工しやすいのが特徴。使い込むほどに角が落ちるなどの風合いがでる。
加工が簡単にできるためコストが少なく製造が可能。

主にアンティーク(古い年代)の時計で採用されており、サファイヤクリスタルに比べ交換の費用も安価である。
腕時計ではオメガ・スピードマスターで採用されている。
(通常装備がアクリルガラスで特別仕様としてサファイヤクリスタル・ガラスのモデルが用意されている。) 
サファイヤクリスタルとは、表面温度や叩いた際の音で判別が可能。
プラ風防。
アジュラージュ (あじゅらーじゅ) azurage
大きさの違う円状の線を多重的に彫ることで繊細な光の反射が楽しめるデザインです。
文字盤全体よりもインダイヤル等に用いられることが多くなっています。
タグホイヤーのカレラ等で多く採用されています。
アズモメーター (あずもめーたー) asthmomètre
主にドクターウォッチで使用されつ、クロノグラフの特別な目盛りによって呼吸の回数を計測する機能のことです。
使用方法はまずスタートボタンを押して15、25回目など基準となる計測回数分の呼吸が行われた時点でクロノグラフをストップさせます。
その時針が指す目盛りが毎分の呼吸数となります。
アップライトインデックス (あっぷらいといんでっくす) applied index
文字盤のインデックスを立体的にした浮きあがらせたもののこと。印刷したものに比べ高級感がでる。
アップライドインデックス (あっぷらいどいんでっくす) applied index
文字盤上のインデックスを立体的にしたもの。
金属を張り付けたり、裏からプレスするなど様々である。
一般的なインデックスの方式。
アナログ時計 (あなろぐとけい) analogue clock (watch)
時刻を針で表示する時計のこと。
機械式時計は、ほとんど全てがこのアナログ式である。
デジタル風に表示するアナログ時計も極稀に存在しますが、 非常に複雑な機構を必要とするため非常に高価です。
感覚的に時刻を確認出来ることが魅力です。
アニュアルカレンダー (あにゅあるかれんだー) annual calendar
2月以外の月末の日付(30日あるいは31日)を自動補正するカレンダー機能のこと。
日本では『年次カレンダー』ともいう。
1996年、パテックフィリップ社が開発した。
閏年の自動補正機能が備わっているパーペチュアルカレンダーよりも安価である。
とはいえ非常に複雑な機構を有しているため通常の時計に比べると高価な時計であることが多い。
パテックフィリップの"アニュアルカレンダー"が有名。
コンプリケーションウォッチの一種。
アビエーションウォッチ (あびえーしょんうおっち) aviation watch
ベゼルの回転計算尺で速度やガソリン消費量の算出などが可能な航空用の時計のこと。
ナビゲーションウォッチともいう。
ブライトリングのナビタイマーが有名。
回転計算尺を搭載していることが多い。
アブラアム・ルイ・ブルゲ (あぶらあむ・るい・ぶれげ) Abraham Louis Breguet
最古の時計メーカーブレゲ(Breguet)の創業者、アブラアム・ルイ・ブルゲ。
1747年、スイス・ヌーシャテルにて誕生。
機械式時計の業界において天才的な発明をいくつも行い、 時計の歴史を200年早めたといわれる時計技師。
ブレゲ氏の死後200年近く経った今でも彼を超える時計師はいないと言われています。
時計ファンだけでなく、世界中の時計師の憧れといえる存在です。
ミニッツリピーターやトゥールビヨンを発明しました。
機械式時計の歴史でも最も重要な人間です。
ブルゲとブレゲは、発音違いで同一人物です。
アラビアインデックス (あらびあいんでっくす)
アラビア数字で表示されているインデックスのこと。
1.2.3.4...と表します。
一般的に使用されている数字の表記方法です。
日本では馴染み深い表記法のため視認性に優れています。
アラームウオッチ (あらーむうおっち) alarm watch
アラーム(目覚まし時計)機能がついている時計のこと。
1947年世界初の手巻きアラーム時計「ヴァルカン社」の「クリケット」が発売。
「クリケット」とは「こおろぎ」の意味で、太平洋戦争時より歴代アメリカ大統領に愛用されたことで有名である。
1956年には世界初の自動巻きアラーム、ジャガールクルト「メモボックス」が発売された。
ボタンやレバー操作で現在時刻を鐘の音で知らせる「リピーター」とは別物である。
ブランドごとに様々な種類の音色を楽しむことが出来ます。
デジタル時計にも搭載されていることが多いですが、コチラは電気的に電子音を鳴らしています。
アリゲーター (ありげーたー) alligator
ワニの皮のこと。
水や汗などの水気に強い性質がある。
北米ルイジアナ産のアリゲーター 、東南アジア産のクロコダイル、中南米産のカイマンがある。
ワニ革は爬虫類の中でも皮の王様といわれている。
時計のベルトに利用されている。
高級素材。
アルキメデス曲線 (あるきめですきょくせん) Archimedean spiral
蚊取り線香など、太さが均一の線を規則正しく巻いた時にできる曲線のことです。アルキメデスの螺旋とも言います。時計においてはヒゲゼンマイに見られる構造です。
アルファ針 (あるふぁばり) alfa hand
ちょうどドーフィン(ドルフィン)針の付け根がすぼまった形をしています。ブライトリングのモンブリランなどで採用されています。
アロー針 (あろーばり) arrow hand
矢印の形の針のことで、矢印針、アローハンドとも言います。グランドセイコーのダイバーズオメガのプラネットオーシャンなどで採用されています。
アワーレコーディング (あわーれこーでぃんぐ)
クロノグラフ機構の12時間積算計が搭載されたもののこと。
30分刻みと1時間刻みの二種類があります。
アンクル (あんくる) anchor striker
T字型をした金属でガンギ車と共にテンプに対して往復運動するための力を与えるもの。
T字型の先には2本のルビーがはめ込まれ、それぞれ「入りづめ」「出づめ」という。
アンクルは「アンクル真」という軸で支えられてこの軸を中心に左右に動くことが出来る。
アンクル脱進機 (あんくるだっしんき) anchor escapement
アンクルを通してテンプに往復運動を行うためのエネルギーを伝える仕組みの脱進機です。アンクルを使用しない脱進機にはシリンダー脱進機などがあります。
アングラージュ (あんぐらーじゅ)
ブリッジを研磨して面取りを施す仕上げのこと。
アンティコルム (あんてぃこるむ) antiquorum
世界最大規模の時計専門オークションの会社、またはオークションそのものを指す。
世界中に支店があり年間10回オークションを開催している。
1974年にスイス・ジュネーブに設立されました。
時計メーカー各社から高い信頼を得ている。
時計史に残る重要なモデルも出品されています。
現在、時計オークションの最高峰と言われています。
アーモンドケース (あーもんどけーす) almond case
アーモンド形の丸みを帯びた形のケースです。
文字盤は丸型です。
アンティークウォッチでよく見られ、ロレックスのカメレオンなどもこの形状です。
イエローゴールド (いえろーごーるど) yellow gold
K18の組成が金75%、残りの25%が銀、銅の合金であるもの。
この銀、銅の配分率は特に決められてはいないが一般的に等量である。
いわゆる金といわれるのはイエローゴールドのことを指す。
硬度などの都合もあり腕時計に使われるのはこのK18イエローゴールドが一般的です。
アンティークの物の中にはK14のものもあります。
インカブロック (いんかぶろっく) incabloc
衝撃などのショックが加わったときにテンプの天真が折れないようにバネがついた穴石を使ってそのショックから守るための耐衝撃装置のこと。
1939年にスイスで発明された。
ショックを与えたときにテンプの天真が折れないようにするため、バネがついた穴石を使って支えている。
インダイヤル (いんだいやる)
文字盤内にある小さな文字盤(ダイヤル)のこと。
秒を示すスモールセコンド、日付、曜日、月表示、積算計などがある。
スモールダイヤルともいう。
主にクロノグラフに用いられるが、様々な機能に応用が聴くため広く採用されている。
フランクミュラーの時計では、インダイヤルも時計になっているものがある。
インデックス (いんでっくす) Index
ダイアル上の時や分を示す目盛りや数字のこと。
『マーク』や『チャプター』ともいう。
バー、ドット、ローマン、アラビアン、トライアングル、ダイヤ、スター等の種類がある。
また仕上がりにはプリント式、アップライト式がある。
それぞれタイプ毎の説明は別頁参照。
インナーベゼル (いんなーべぜる) inner bezel
インナーベゼルとは、インデックス外周に取り付けられるベゼルで、目盛が施されているもののことをいう。
インサイドリング、インサイドベゼル、インナーリング等ともいう。
最近のダイバーズウォッチなどでは、潜水前にインナーベゼルを回転させ、ボンベの残り時間を確認するのに利用したりする。通常のベゼル(アウターベゼル)と比較して、物理的にぶつけてしまって誤って回転してしまうことがないのがメリット。
インナーベゼルは風防の中に回転するベゼルがある為、直接手で回転させることは出来ません。
専用のリューズで操作することにより、所定の位置までベゼルを回転させることができます。
ウルトラスリム (うるとらすりむ) ultra slim
ムーブメントの厚さが2mm未満の極めて薄いケースを持つ時計のことです。
エクストラスリムやエクストラフラットと呼ばれることもあります。
ピアジェがウルトラスリムのような超薄型の時計を得意としています。
エキゾチックダイヤル (えきぞちっくだいやる)
ロレックスの人気モデル、コスモグラフデイトナの文字盤に1960年~1970年初期まで採用されていたダイヤルデザインの通称です。
スモールセコンドの数字が15目盛り刻みとなっていたり、インダイヤルのバーインデックスの先端にスクエアがプリントされていのが特徴です。
別名ポール・ニューマンダイヤルとも呼ばれ、俳優のポール・ニューマンが愛用したことで知られます。
エクステンションブレス (えきすてんしょんぷれす) extention bracelet
ブレスレットのこまのつなぎ目にスプリングを取り付けることで、 自由に伸ばしたり縮めたりできるようになっている金属製ブレスのこと。
伸び縮みするため手首によく馴染みます。
アンティークの時計に多く見られます。
日本語では「蛇腹(じゃばら)ベルト」という。
内部にバネなどを使っているため経年変化で不具合を起こすことがあります。
現行の時計では、ほとんど使われいない方式です。
構造上耐久性が低い。
エスケープメント (えすけーぷめんと) escapement
ガンギ車・アンクル・振り石から成る一定速度で歯車の列を動かすための機構。
日本では脱進機という。
エスタブリスール (えすたぶりすーる) etablisseur
マニュファクチュールの反対語で、オメガ、カルティエ、タグホイヤーなど、多くのブランドがこのタイプに属しています。ブライトリングのように他社製パーツを調整してクロノメーター認定レベルまでに仕上げるメーカーもあるため、「エスタブリスール=マニュファクチュールと比べて技術力において引けをとるメーカー」というわけではありません。
エタクロン (えたくろん) etachron
原始的な緩急針よりも微調整が可能で柔軟性が高く、ETA社製のエボーシュに採用されていることから現在ではほぼ緩急針のスタンダード形となっています。
重量があるため、衝撃に弱いという短所がありますが、ヒゲ棒やヒゲ持ちなど様々な部分で微調整が可能なため精度を高めやすいタイプの緩急針です。
エタブリスール (えたぶりすーる) Etablisseur
時計の企画、デザイン、組み立ては自社で製造するが、ムーブメントなどの部品を他社より買い、時計を完成させているメーカーのこと。
ほとんどの腕時計メーカーがこれにあたる。
逆に時計の製造を一貫して行っているメーカーのことをマニュファクチュールという。
近年は各メーカーがムーブメントを自社開発しておりマニュファクチュールが増えている。
エボーシュ (えぼーしゅ) ebauche
ムーブメントメーカーが製造するムーブメント(未完成)のこと。
これにさらにパーツをつけ組み立てて時計を完成させている。
マニュファクチュールではないメーカーは基本的に他社から供給されたエボーシュを使用し時計を製造しています。
スウォッチグループのETA社がエボーシュメーカーとしては有名。
エリンバー (えりんばー)
温度が変化しても弾性が変わりにくい特性を持つ、ヒゲゼンマイの素材に使用される特殊合金のこと。
1913年に、鉄とニッケルの合金の研究で優れた業績を残しノーベル賞を受賞したフランス人の物理学者、シャルル・エドワール・ギョーム博士が発明した合金です。ニッケル38%、クロム12%、炭素やマンガン、タングステン、鉄から構成されます。
エングレービング (えんぐれーびんぐ) engraving
ムーブメントの地板にノミのような彫刻刀を当てて装飾を施すこと。
文字盤やケースに施すこともあります。
エングレーブ。
エングレーブ (えんぐれーぶ) engrave
彫金で模様を描く技法のこと。
ムーブメントに施すことが多い。
アクセサリーなどに広く用いられる技法。
彫りにインクを入れ、目立たせることもある。
エンジンターンド (えんじんたーんど)
機械で彫り込み装飾をしたもの。
ロレックスのベゼル装飾で見られる。
ペルラージュともいう。
エンドピース (えんどぴーす) end piece
ブレスレットの、ケースと直接接触している部分のことです。
ここをアタッチメントリンクとも呼ぶこともあれば、皮ベルトのバネ棒が入る部分のことをエンドピースと呼ぶこともあります。
エンボス文字盤 (えんぼすもじばん) emboss dial
文字盤全体にプレス加工をして凹凸をつけた文字盤のことです。大量生産が可能であるという利点があります。
オイスターケース (おいすたーけーす) oyster case
金属の塊をくりぬいて作ったケースにリューズをねじ込み式にすることで世界初の防水性を高めたケースのこと。
オイスターとは、牡蠣のこと。
牡蠣の殻のようにしっかり閉じるケースという意味である。
1926年にロレックス社が特許を取得しました。
開発は後にロレックスの傘下となるイギリスのオイスター社である。
現在のロレックスの時計はチェリーニラインを除いた全てのモデルに採用されています。
オイスターブレス (おいすたーぶれす)
コマが3列のブレスレットでブロック型で主にスポーツモデルに採用されている。
素材を削り出して作る非常に高品質なタイプ。
元々オイスター社が開発したことからその名がきています。
通称"ハードブレス"。
オクタゴン (おくたごん) octagon
1920年代のアール・デコ全盛期に登場し、同時期のロレックスが多く採用していた8角形ケースのこと。
現在でもオーデマピゲのロイヤルオークなどがこの形状のケースを採用しています。
カルティエのサントスオクタゴンも有名です。
ジェラルドジェンタデザインの時計はオクタゴンケースであることが多い。
オシドリ
リューズを押し引きするときに時刻合わせとゼンマイ巻き上げを切り替える内部にあるパーツのこと。
内部のツズミ車を移動させることにより切り替えをしている。
オパーリン (おぱーりん)
厳密に定義された言葉ではありませんが、クリームがかっていたり象牙色のような色をしているもの、柔らかく光を反射するマザーオブパールなどに広く使われる言葉です。
オフィシャルタイマー (おふぃしゃるたいまー) official timer
競技大会などにおける公式計時担当企業のことです。
例えばオリンピックではオメガが他社に先駆けて担当し、ロンジン、セイコー、スウォッチなどが担当しました。特にモータースポーツの分野ではタグ・ホイヤーが抜きん出て豊富な担当経験を持っています。
大きく分けてストップウォッチによる手動計時と、写真判定やコンピューターなどの特殊機器を使用した自動計時があります。
オーストリッチ (おーすとりっち) ostrich
南アフリカに生息する世界最大の鳥「ダチョウ」のこと。
羽を抜いたあとの羽軸模様か特徴的で皮質は重厚で丈夫である。
ダチョウは体は大きいがこの模様のある部分は背中の1部だけであり貴重である。
この模様は、クィルマークと呼ばれています。
クィルマークが綺麗に出ているものは高価になります。
人気のある薄茶、キャメル色は汗跡が残りやすい為、夏場のご使用はお奨めできません。
腕時計の皮バンドとしてよく利用される。
ひと目でオーストリッチ分かるためとステータスとしても人気です。
オストリッチと呼ぶこともある。
オートクォーツ (おーとくおーつ) auto quartz
内部に発電機が搭載されている交換式電池不要のクオーツのこと。
自動巻き式のように内部にあるローターを動かすことによって 内蔵発電機で電気を発電させ、その電気を蓄えてクォーツを動かす。
基本構造はクオーツと同じである。「AGS」(Auto Generation System)、「KINETIC」と呼ばれています。
主に日本の時計メーカーが製造しています。
精度が高く、電池交換が必要ないため実用性に優れています。
海外ではエルメスのノマードがオートクォーツです。
発電式クォーツと呼ぶこともあります。
利便性は高いですが、あまり一般的な方式ではありません。
現在はソーラー式クォーツの登場により、減少傾向にあります。
オートマタ (おーとまた) automata
機械人形のこと。
主にヨーロッパげ18世紀ごろから作られた「西洋からくり人形」のことをいう。
機械式時計に近い機構を有しています。
オートマチック (おーとまちっく) automatic
自動巻き上げ式の時計のこと。
機械式時計の一種で腕を振ることによりゼンマイを巻き上げるしくみ。
時計の基本的な構造は手巻き式時計と同じである。
手巻き時計は違いエスケープ機能が付いているため、 巻き上げすぎた場合のゼンマイ切れが発生しません。
基本的には手巻き機能もついている。
オート・オルロジュリ (おーと・おるろじゅり) High Horology
高級で高度な複雑時計の製造技術のことを指します。
スイスの有名時計マニュファクチュールはほとんど当てはまります。
オーバル (おーばる) oval
いわゆる楕円形のこと。
ラテン語で卵を意味しています。
楕円形だけではなく、楕円に似た曲線のこと指すこともあります。
時計においては、ケースの形状のことを指す言葉。
丸型のラウンドとは異なります。
オーバーホール (おーばーほーる) overhaul
ムーブメントの分解、洗浄、組み立て、注油、時間調整などの所謂メンテナンスを行うこと。
一般の機械式時計のオーバーホールは、3~5年に一度行うのが理想である。
このメンテナンスを怠ると日差や不具合などが発生する可能性があります。
定期的にオーバーホールを行うことにより時計の寿命が飛躍的に延びます。
これにより100年後、あるいは200年後でも動き続けることが可能です。
専門家や時計マニアの間では"OH"と略すこともあります。
  クォーツでも必要な場合がある。
オープナー (おーぷなー) opener
ケースの裏蓋を開けるために使用する工具のことです。はめ込み式、ねじ込み式など裏蓋の種類によってオープナーにもそれぞれ対応する種類があり、高汛用性ラバータイプやロレックス専用タイプのものもあります。
オーリング (おーりんぐ) O-ring
時計の裏蓋にはめ込まれている防水用のゴムパッキンのこと。
オーリングにより、ケースと裏蓋の密着性を高めています。
防水時計であれば、ほとんど全てに使用されています。
Oの形をしているためその名が付けられています。
Oリング。
カウチュ (かうちゅ) caoutchouc
スペイン語の「ゴム」を意味する単語です。
ラバーにしては軽く、べたつかず、ゴム臭さもあまりないという利点がありますが、耐久性が低いのが難点です。
薄くのばしたラバーシートをナイロンなどの表面に圧着しています。
フランクミュラーのコンキスタドール、ジンのEZM1、クロノスイスのタイムマスター40などで採用されています。
カウントダウンタイマー (かうんとだうんたいまー) countdown timer
特定の時間の経過をダイヤルに表示する機構のこと。
カウントダウンタイマーをもつ機械式時計の代表としては、ロレックスのヨットマスターなどがあります。
ヨット競技用の機能であるため、ヨッティング機能と呼ばれます。
カップリングクラッチ (かっぷりんぐくらっち) coupling clutch
クロノグラフに動力を伝えるパーツのことで、水平クラッチ方式のクロノグラフに使われている部品です。
アーム状になっているためキャリングアームとも呼ばれます。
技法としては古典的な部類で、パーツの大きさや形状の美しさから視覚的な魅力があります。
カップリングホイール (かっぷりんぐほいーる) coupling wheel
駆動車であるドライビングホイールと秒クロノグラフ車の中間に配置されている歯車です。そのためクロノグラフ中間車と呼ばれることもあります。
カナ (かな) pinion
歯車についている小さな車のこと。
他の歯車とかみ合い回転運動を伝えている。
ピニオンと呼ぶことが多い。
カビノチェ (かびのちぇ) cabinotier
今で言うところの独立時計師のことです。ジュネーブのヴァシュロン・コンスタンタンの創業者ジャン・マルタ・ヴァシュロンをはじめとする、18世紀のスイスで活躍した彼らは独立性を重んじ、卓越した伝統的な時計工芸技術をもっていました。
屋根裏部屋(キャビネット)で時計製作を行っているケースが多かったことからこう呼ばれました。
カボション (かぼしょん) cabochon
宝石を丸く磨くカッティング方法のこと。
「カボション」は中世フランス語で「頭」を意味する。
リューズの先端などに埋め込み装飾する。
宝石が持つ自然な輝きを活かすカッティングです。
ダイヤモンドなどではなく翡翠などの透明度の低い石に施されることが多い。
カリテフルリエ (かりてふるりえ) Qualite Fleurier
Swissのフルリエは、ルロックルやニューシャテルの近郊の町で、古くから時計製造の拠点として有名です。 この町に工房をかまえるパルミジャーニ・フルリエ、ショパール、ボヴェの3社が、独自の時計品質検査機関カリテフルリエ財団(FQF)を2004年に設立しました。 ムーブメントの精度を保証するためにスイスクロノメーター検定協会(COSC)に試験を依頼するのに加えて、タイムピースとしての包括的な品質を評価する試験が実施されます。「クロノフィアブル試験」ではエイジング・サイクル、すなわち巻芯にプッシュプル動作を一定数加えた後のムーブメントの耐久性を検証する試験、耐磁性の試験、そして専用の鎚打試験機を使った耐衝撃性の試験が実施されます。さらに、時計はカリテフルリエ財団が定める技術的規定に記載された技術的、そして美的基準(素材や装飾、仕上げの選択を含む)を満たさなければなりません。そして、最後にフルリエ・テストマシンを使って完成した時計の歩度を検査します。このマシンは現実的な使用条件で24時間着用した場合を再現することができ、誤差が1日に0~+5秒の以内に収まることが確認されます。 時計の美しさ、耐久性、静的精度に加え、日常使用も想定した携帯精度もテストされる品質規格です。 文字盤に「QUALITE FLEURIER」の文字がデザインされ、ムーブメントのブリッジには「QF」の刻印があります。
カンヌキ
リューズを押し引きするときに時刻合わせとゼンマイ巻き上げを切り替える内部にあるパーツのこと。
内部のツズミ車を移動させることにより切り替えをしている。
カーフ (かーふ) calf
生後6ヶ月以内の子牛の革のこと。
牛革の中でも最も上質な素材とされている。
キメ細かく柔らかく、薄い素材となっている。
腕時計の皮ベルトとしてよく利用されている。
元となる皮が4.3kg以下のものをライトカーフ、それ以上のものをヘビーカーフという。
模様などが無くシンプルで使いやすいため幅広く用いられています。
流通量が多く安価なため、レザー製品の素材として一般的なもの。
カーベックス (かーべっくす) curvex
手首の装着感をを良くするために、腕のシェルエットにそって湾曲させた形状のケースのこと。 最初に製造したのは1937年アメリカの時計メーカーのグリュエン(GRUEN)である。 フランクミュラーのトノーカーベックスはトノーケースにカーベックスを施している。
ガスケット (がすけっと) gasket
リューズに防水性を持たせるためにはめているゴムパッキンのこと。
そのままパッキンと呼ぶことも多い。
ガルーシャ (がるーしゃ) Galuchat
フランス語で「エイの革(stingray)」や「サメの革(shark)」など表面があらくゴツゴツした革のこと。
耐久性、防水性に優れ軽量であり世界中で利用されている。
近年は従来のゴツゴツ感のある粒状の固い鱗タイプ以外に、 表面を研磨したエナメルのような手触りとビーズのようなキラキラ感を出す加工が可能になっており、 それに加えて染色の技術向上により、 鮮やかなパステルや深みのあるカラーバリエーションが可能になり、ますますファッション性が高まりつつある。
優れた皮革素材として財布、時計バンド、バッグやアクセサリーに利用されている。
英語では、この種の皮革の事を「Shagreen」と呼んでいる。 
ガンギ車 (がんぎぐるま) escape wheel
アンクルとかみ合って、ゼンマイから輪列に伝わってきた動力を一定運動に切り替える役割をしている車のこと。カギ型の特殊な形状をしている。
キズミ (きずみ)
腕時計をメンテナンスするときにまぶたに挟んで使用するルーペのこと。
倍率は4倍程度で宝石用ルーペ(10倍)に比べると低めである。
時計師は、手持ちのルーペではなくこのキズミをほぼ全員使用しています。
宝石用ルーペに比べ倍率が低いため、目が疲れにくい。
片目に着用します、専用のホルダーもあります。
キチ車
リューズの回転をゼンマイ巻きに伝達するパーツのこと。
キネティック (きねてぃっく) kinetic
セイコーの開発した自動でクォーツの発電と充電を行う機構のこと。
機械式時計の自動巻き機構と同様のローターの回転によって発電と充電が行われます。
キネティックオートリレー (きねてぃっくおーとりれー) kinetic auto relay
セイコー・キネティックに節電機能をつけ、未使用時には止まる機構のことです。キネティックと同じくローターによる発電と充電を行いますが、72時間未発電状態が継続すると自動で針が止まり、再使用時に自動で現在時刻を指して再起動する仕組みとなっています。
キフ (きふ) kif
時計が衝撃を受けた際、ムーブメントのテン真や穴石、受け石などのパーツを衝撃から守る役割を持つパーツです。
ロレックスのコスモグラフデイトナで採用されたバルジュー製のCal.727はキフ・ウルトラリフレックスを備えています。
キャタピラーベルト (きゃたぴらーべると) caterpillar bracelet
外見が戦車のキャタピラーに似ていることから名付けられた、金属製のコマ3列で構成されているタイプのブレスレットのことです。
オメガ・スピードマスターが以前キャタピラータイプのベルトを採用していました。
キャビノチェ (きゃびのちぇ) cabinotier
高度な時計技術に精通した時計職人、または18世紀のスイスで活躍した時計職人のことで、 屋根裏部屋(キャビネット)で時計の製作を行なっていたことに由来します。
独立時計師と呼ばれる人たちは、このキャビノチェ出身のことが多く高い技術を持っています。
ヴァシュロン・コンスタンタンから同名の時計も発売されています。
キャリオン (きゃりおん)
15分単位の音専用のハンマーとゴングを追加したミニッツ・リピーターで15分単位のこと。
1997年オーデマ・ピゲは、グラン・ソネリとキャリオンを組み合わせたグラン・ソネリ・キャリオンを発表。
キャリッジ (きゃりっじ) carriage
トゥールビヨンの構造の一部で、テンプ、アンクル、ガンギ車が乗った箱のこと。
三番車により、この箱全体、つまりキャリッジが回転する。
ガンギ車の軸はキャリッジからはみ出していて、地板に固定された四番車の周りを噛み合いながら回転する。
キャリバー (きゃりばー) caliber
時計に使われるムーブメントを管理するために付けた形式名、型番のこと。
「Cal.」のあとに数字やアルファベットで表記されることが多い。
レフ番号に近い呼称である。
現在は、ムーブメント自体のことをキャリバーと呼ぶことが多いようです。
キャリパーと呼ぶ人もいますがスペルを見て分かるように、これは誤りです。
ギャランティ (ぎゃらんてぃ) Guarantee
メーカーが発行する保証書のこと。
時計買取をしてもらう場合はギャランティがあると有利(高値)になります。
ヨーロッパなどでは、国際保証書がないと買い取りを拒否されることもあります。
国によっては"ワランティ"と呼ぶ場合もあります。
中古買取においては初期不良などの保証というよりも、正規の品であるかの保証という意味合いが強いです。
付属品の中でも特に重要で、買取に際に国内正規店であるか重要な場合もある。
ギョーシェ彫り (ぎょーしぇぼり) Guilloche
機械式時計で美しく仕上げるために、文字盤に施される細かい彫模様のこと。
ギロッシェとも言う。
光の反射を防止し視認性を高める役目もある。
1800年代にブレゲ氏が考案したものである。
ギヨーシェ彫り (ぎよーしぇぼり) guilloche
ブレゲが発明した、文字盤やベゼルの周囲に連続した模様を彫刻する装飾加工の総称。
もともとは光の反射を防止したり、時計を薄く見せたりする効果を狙ったものとも言われています。
彫り込む箇所はモデルの種類によって時刻表示、パワーリザーブ表示、ムーンフェイズ表示、スモールセコンド部であったりと色々です。
パターンやモチーフも本当に多種多様で、鋲打ち風のクル・ド・パリや石畳風のパヴェ・ド・パリ、太陽光線のようなソレイユ、麦の穂を象ったバーリーコーン、波模様のヴァーグ、籠のようなヴュー・パニエ、日本風に言えば市松模様のダミエ、炎を象ったフラメなどがあります。 ギョーシェ彫り。
クォーツ (くぉーつ) quartz
クォーツとは、水晶という意味。
水晶に交流電圧をかけてその振動子を利用した時計のこと。
機械式時計に比べ精度が高く、一か月で数秒~数十秒程度である。
使用する水晶の品質によって精度が変わります。
グランドセイコーやパテックフィリップが上質は水晶を使用してることで有名です。

1970年代にセイコーが特許を公開したことを機に各メーカーがクォーツ時計の製造を始め、
驚異的なスピードで普及したため、ヨーロッパやアメリカの時計メーカーは一時経営危機に陥りました。
これを「クォーツショック」といいます。
安価なため、現在最も一般に普及しているタイプの時計となっている。
動力にバッテリーを必要とする。
ソーラーバッテリーのものもある。
クオーターリピーター (くおーたーりぴーたー) quarter repeater
音で時刻を知らせる時計のこと。
任意の時間にレバーやボタンを操作することによって音が鳴る機構である。
時間を知らせる鐘が3回鳴ったら3時、15分単位を知らせる鐘が1回なら15~29分で、3時15~29分となる。
鐘が0回で0~14分、1回で15~29分、2回で30~44分、3回で45~59分を表す。
1時間を4分割していることからクォーターリピーターという名前が付けられています。
 
クッションケース (くっしょんけーす)
四角形のデザインケースで、4辺をややふくらませたような柔らかなフォルムのケースのこと。
パネライ(PANERAI)の「ラジオミール」、タグ・ホイヤー(TAG HEUER)の「モンツァ」、ショーメ(CHAUMET)の「ダンディ」などに採用されている。
ふっくらとした座布団のような形は、スポーティーなモデルであっても柔らかい雰囲気になる。
角型に近いため、スクエアケースに含まれることが多い。
クラスプ (くらすぷ) clasp
メタルブレスや革バンドのワンタッチ式や開閉式の留め具のこと。
このパーツの精度によって装着感が変わってくるため、腕時計にとって重要な部品です。
バックルという場合もある。
クル・ド・パリ (くる・ど・ぱり) clou de paris
フランス語で「パリのツメ」を意味する言葉で、ギザギザ模様が特徴です。 ロンジンにはこの装飾を採用した「クル・ド・パリ」というシリーズをリリースしており、他にもパネライのルミノールPM00241など幅広い時計に採用されています。 クルードパリ。
クロック (くろっく) clock
携帯せずに一定の姿勢で使用する置き時計、柱時計のこと。
昔は教会の鐘の音で時刻を知らせたところからラテン語の「cloccal(鐘)」に由来している。
近年は目にする機会が減りつつあります。
現在は電池式のクォーツのものがほとんどです。
クロノグラフ (くろのぐらふ) chronograph
いわゆるストップウォッチ(時間計測)機能のこと。
腕時計のクロノグラフ機構では通常はスタートボタンがストップボタンをかねているものが多い。
ワンプッシュクロノグラフはモノプルサンテ、 計測用のクロノ針が2本あるスプリットセコンド(ラトラパンテ)やフライバックなどのバリエーションがある。
クロノプラン (くろのぷらん) chronoplan
モバードが開発した任意の時間を記録することのできるクロノグラフです。1940年代に開発され、ベゼルが内側・外側の2重式となっており、内側に1から12まで、外側に0から60までの数字が刻まれていて、内側ベゼルで時刻を、外側のベゼルで分を設定します。これによりその日の大事な時間などを時計上に記録しておくことが出来ます。世界的に人気があり、復刻版もリリースされました。
クロノメーター (くろのめーたー) chronometer
時計の精度に関する世界的な規格のこと。
現在は機械式ムーブメントに対する規格となっています。
クロノメーター認定を取得しているムーブメントは、一般的に上質な物として扱いを受けています。
ストップウォッチであるクロノグラフとは、全く意味が異なります。
この認定を受けている時計は受けてない時計に比べると高価なことが多い。
C.O.S.C。
クロノメーターコンクール (くろのめーたーこんくーる)
定められた規格をクリアする絶対評価の検定とは異なり、参加した時計機械に優劣をつける相対評価のコンクールのこと。
これはスイスの「ニューシャテル天文台」「ジュネーブ天文台」、 イギリスの「キュー・テディ ントン天文台」などで開催されたので通称「天文台コンクール」とも言われている。
コンクールは1860年頃~1969年頃まで開催されていたが、 1973年から「スイスクロノメーター検定協会C.O.S.C」に集約されはじめ現在に至っている。
これ以降はC.O.S.Cのみが同検定を実施。
クロノメーター試験所 (くろのめーたーしけんじょ)
クロノメーターの認定を行う試験所である。
5つの姿勢差(ポジション)と3つの温度差で、15日間にわたりムーブメントの精度が検査される。
日差においてマイナス4秒以内プラス6秒以内という基準をパスする必要があります。
(20mm以下のムーブメントはマイナス5秒以内プラス8秒以内)
ここで認定されたムーブメントは高品質なものであるという証明でもあります。
かつては、クォーツにも審査ありました。
クロワゾネ (くろわぞね) cloisonné
金属の土台の上に、金属の輪郭線を貼りつけて、できた枠内をエナメルで埋めて装飾する技法。
日本での七宝のことです。
グノモン (ぐのもん) Gnomon
日時計の指示針のこと。
一般的に三角定規のような形をしている。
紀元前より使用されている。
グラスヒュッテ・サンバースト (ぐらすひゅって・さんばーすと) glashutte sunburst
主にノモスなどのドイツグラスヒュッテ製の時計のムーブメントの仕上げに良く見られる、サンバースト模様の美しい仕上げです。
グランソネリ (ぐらんそねり)
オーデマピゲが開発した毎正時と15分単位を自動的に音で告げる複雑機構のこと。
クォーターリピーターとは性質が似ていますが、異なる機能です。
グランドコンプリケーション (ぐらんどこんぷりけーしょん) grand complication
パーペチュアルカレンダー、ミニッツリピーター、トゥールビヨン、スプリット・セコンド・クロノグラフなどの複雑機構を2つ以上搭載した、高度な複雑時計がグランドコンプリケーションと呼ばれます。
組み上げられる職人が少ないこともあり、限られたブランドしか販売しておらず、価格も非常に高価です。
グリーンゴールド (ぐりーんごーるど) green gold
K18の組成が金75%、残りの25%が銀の合金のこと。日本語では「青割り」「青金」という。
ケース (けーす) case
腕時計の機械を納める箱、ケースのことをいう。
オイスターケース、クッションケースなど、は全てこのケースのことを指す。
一般的にはステンレススチールや貴金属で作られています。
所謂、本体のことです。
”あたま”と呼ぶこともあります。
腕時計では基本的にケースがないものは存在しません。
時計を収納するボックスやケースとは異なります。
コインエッジ (こいんえっじ) coin edge
ベゼルやケースサイド、リューズに刻まれる細かい縦溝模様のこと。
コインのエッジ部にあるギザギザに似ていることから由来する。
文字盤のデザインを引き立てる役割もあり、伝統的な装飾の一つです。
ブレゲ社製の時計に多く見ることができます。
日本の通貨の100円玉のエッジ部に似ています。
コハゼ (こはぜ) click
角穴車の逆回転を防止するための部品で、ツメ状になっています。
コラムホイール式 (こらむほいーるしき) column-wheel system
コラムホイールを用いてクロノグラフ機構の動きを制御する仕組みのこと。
柱(ピラー)状の歯がついていることからピラーホイールとも呼ばれます。
上下2段に分かれていて、プッシボタンを押すと下側の歯が回転する仕組みになっています。
この回転に合わせて、上段の柱と柱の間にクロノグラフのレバーなどのパーツが乗ったり、落ちたりする動きによって、クロノグラフのスタート・ストップ・リセットすべての動作が制御されています。
一般的にコラムホイールは「引いて」回転させる仕組みのものが多く、基本的に操作感が軽いという特徴があります。
クロノグラフを作動させる仕組みとしては他に作動カム式があります。
コレクター (これくたー) corrector
複雑時計等によく見られ、このボタンを操作することでカレンダー合わせ等をします。
指で押すことが難しいため、専用のピンを使用します。
コンバーチブルケース (こんばーちぶるけーす) convertible case
ケースが回転し、裏返しても着用できるよう設計されたケースのことです。 元々スポーツの際の風防保護が目的で、裏面は装飾の入った金属が主でしたが、近年の技術向上が進み、両面が時計になっているものも多く見られます。
ポロ競技中に着用するために設計されたジャガー・ルクルトのレベルソが最も有名かつ最初のコンバーチブルケースモデルとして知られます。
コンパスウォッチ (こんぱすうぉっち) compass watch
方位磁石がついている時計のこと。
機能としては非常に珍しい機能です。
ケースバックにコンパスがついているものや、ケーストップにコンパスがついているものなどいくつかのパターンがあります。
IWCやハンティングワールドが発売していたコンパスウォッチが有名。
時計とコンパスがひとつで済むため、探検家や冒険家に人気です。
コンビ (こんび)
イエローゴールド/ステンレススチール、 ホワイトゴールド/ステンレススチールなど2種類の異なる金属素材の組み合わせで構成されるもの。
腕時計だけでなくアクセサリーにも多用されています。

3つの素材を組み合わせたものも存在します。
その場合はコンビではなく、スリーカラーといいます。
コンビネーション
コンプリケーション (こんぷりけーしょん) complication
機械式時計で使われる複雑機構の総称。
パーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、 スプリットセコンドなどの複雑機構がいずれか、または複数搭載されている時計のこと。
製造するには高い技術力が必要なため、ステータスとして採算度外視で販売しているメーカーも多いようです。
時計ファンであれば一度は憧れるのではないでしょうか。
プチコンプリケーションという機能を簡素化した簡易的なものや、グランドコンプリケーションと呼ばれる超複雑なものもあります。
コンプリケーションウォッチ (こんぷりけーしょんうぉっち) complication watch
極めて高度な機械式複雑時計の総称。
パーペチュアルカレンダー、 ミニッツリピーター、トゥールビヨン、スプリット・セコンド・クロノグラフなどがある。
簡易版のプチコンプリケーションもあります。
日本語では”複雑時計”といいます。
グランドコンプリケーション。
コーアクシャル脱進機 (こーあくしゃるだっしんき)
最新型のエスケープメント(脱進機)のこと。
時計のメンテナンスサイクルを長期化したもので、 2枚のガンギ車と3つの爪先を同軸上にすることにより摩擦を最小限に減らしたもの。
イギリスのジョージ・ダニエルズ博士が発明した。
この脱進機を搭載している時計はオーバーホールの周期が倍以上に飛躍的に伸びています。
通常、機械式時計のオーバーホール周期は3年と言われていますがコーアクシャルを搭載したものは10年周期となっています。
オメガが1999年に製品化している。
2013年現在、コーアクシャル脱進機を製品に搭載しているのはオメガ社のみです。
コート・ド・ジュネーブ (こーと・ど・じゅねーぶ) cote de Geneve
ムーブメントの地盤、ブリッジ、ローター部分に波状のデザインを施す装飾仕上げの方法のこと。
海原のうねりを彷彿とさせる模様です。
キラキラとした輝きの美しさで人気です。
この加工をすることによりムーブメントや金属パーツに高級感を与えることが出来ます。
ギョーシェやサンレイなどと並び時計業界ではスタンダードな装飾技法です。
コードバン (こーどばん) cordovan
馬の腰部や臀部の皮のこと。
馬の他の部位とは全く素材が異なっており繊維組織が非常に緻密で見事な光沢をもち、牛革の2倍の強さを持っている。
レザーとしては最高級品である紳士用高級鞄や靴に使われています。
1頭から採れるコードバンの量はごくわずかであるため、希少性が高く高価。
レザー製品好きにとって憧れの最高級上質レザーです。
コードバンを来抜いた形が貝殻に似ているためシェルコードバンと呼ぶこともあります。
傷がつきやすいという難点があります。
ゴングスプリング (ごんぐすぷりんぐ) Gong Spring
アブラアン-ルイ・ブレゲが1783年に開発したリピーターを鳴らすための機構です。
それまでリピーターに用いられていたかさばるベルに代わって、スティール製のワイヤ状ゴングをムーブメント外周にそって配置しているのが特徴です。
以降、リピーター・ウォッチは格段に薄くデザインする事が可能になりました。
ゴールドシャトン (ごーるどしゃとん)
ムーブメントの歯車の軸受けにルビーなどを収め、その上からルビーを覆うことで位置決めや調節をしやすくするための部品。ビス留めゴールドシャトン(特にブルーのビスで留められたもの)は最高級品とされてきました。
工作精度が向上し、宝石を正確な位置で固定されることが可能となったため、ビスやゴールドシャトンは使われなくなっていきました。そのため現在では美しい装飾としての意味合いが大きく、伝統的な時計作りにこだわる高級ブランドで採用されています。
ゴールドトレイン (ごーるどとれいん)
2~4番車のいずれか、あるいは全てがゴールドで作られた歯車のことです。常に力がかかり続ける歯車に金素材を採用することには金の外見上の美しさと、擦れに対して非常に耐久性が高く、材質上粘りがあり、真鍮製のものと比べて遥かに酸化しづらいという利点があります。
サテン仕上げ (さてんしあげ)
細かな傷を金属に非常に狭い間隔でつけることにより映り込みを無くす金属の加工方法。
いわゆる"ツヤ消し"加工のことです。
サラサラとした触り心地が特徴です。
ヘアライン仕上げもサテン仕上げの一種です。
サファイヤクリスタルガラス (さふぁいやくりすたるがらす) sapphire crystal glass
風防に使用されるガラス(クリスタル)の種類。
人工サファイアで作られたガラスで透明度・硬度が高い素材。
サファイヤクリスタルは簡単には傷が付かないのが特徴。
サファイヤは一般的にダイヤモンドの次に硬い鉱石と言われています。
しかし加工に手間が掛かるため、価格が高価になるというデメリットもあります。
近年の高級時計には、ほとんど全てこのサファイヤクリスタルが使われています。
サンダーバードベゼル (さんだーばーどべぜる) thunderbird bezel
このベゼルを採用している代表的なモデルが、ロレックスのデイトジャスト・通称サンダーバードであることからこう呼ばれています。
ホワイトゴールド製。
サンドブラスト加工 (さんどぶらすとかこう)
主にムーブメントなどに使用され、金メッキなどにより、表面をザラザラとして粗い外観にするために用いられます。
砂嵐という意味です。
サンバースト仕上げ (さんばーすとしあげ) sunburst
細い線を放射線状に伸ばし、太陽光線のような彫り方で仕上げること。
香箱などの比較的大きな円形の表面と歯車に施される特殊な技法である。
この模様は、加工する部品と加工用研磨ディスクをそれぞれ逆方向に回転させることによって生まれます。
サンビームとは異なる。
サンレイ模様 (さんれいもよう)
中心点から放射状に拡散された多数の線の彫り模様のこと。
まるで太陽が発する光をイメージできることから名づけられた。
シェラック (しぇらっく) shellac
アンクルのツメ石の付け根につける接着剤のことです。原料はインドやタイなどの南方アジアに生息するラック虫の殻です。
ラック虫の殻には樹液が含まれていて、これを精製してシェラックが作られます。
シュラックには温めると柔らかくなる性質があり何度でも繰り返し使用できるため、微調整を要するツメ石の固定に最適な接着剤です。
シェル文字盤 (しぇるもじばん) shell dial
貝殻を使用し、キラキラとした光沢が特徴の文字盤。
ロレックスのデイトジャストデイトナヨットマスターなどの各モデルや、タグホイヤーのカレラなどで採用されています。
シェルダイヤル。
シャトン (しゃとん)
ムーブメントの石を保持するために用いられている金属の枠のこと。
非常に小さく、製作するには精密な技術が必要。
シャブロン (しゃぶろん) Chablon
ムーブメントの構成部品の完全なセットのこと。
バラまたは一部組立てのもの、文字盤、針類のありなしがある。
シャンルベ (しゃんるべ) champleve
まず地金を彫り込んだり、酸でエッチングしたりする等して、窪みや溝をエナメルで埋める技法です。
シャンルベはフランス語で「彫り込み」を意味します。
シャーク (しゃーく) shark
その名の通りサメ(シャーク)の皮のこと。
皮の凸凹で色の濃淡かでき、それがスジ状になっているのが特徴。
サメの革ということもあり、丈夫で防水性に優れている。
色も綺麗に染色できる。
サメの革ということで防水性に優れているため一部の潜水時計にも採用されています。
シリンダーケース (しりんだーけーす) cylinder case
円柱形で、厚みあるラウンド型のケース。
アンティークウォッチに多く見られ、革バンドやナイロンバンド等がつけられていることが多いです。
シリンダー脱進機 (しりんだーだっしんき) cylinder escapement
テンプ部分に直接ガンギ車の歯を当てて作動させるタイプの脱進機。
従来の脱進機はガンギ車とアンクルで構成されますが、このタイプのものはテンプ部分の一部であるシリンダーに直接特殊な形状のガンギ車の歯を当てて作動させます。尖った歯が直接当たるため、耐久性と精度はそれほど高くありませんでした。
この脱進機は1700年代にジョージ・グラハムが開発してから19世紀後半まで多用され、20世紀初頭まで懐中時計などで採用されました。
シースルーバック (しーするーばっく)
時計の裏側が透明になっていてムーブメントが見える仕様のこと。
"裏スケルトン"や"裏スケ"と呼ぶ人が多いようです。
ムーブメントが見えるため真贋が容易に判断出来ます。
"バックスケルトン"ともいう。
ジャンピングアワー (じゃんぴんぐあわー) jumping hours
文字盤上の小窓に数字で時刻(時間のみ)表示する機構のこと。
60分毎に数字が瞬時に変わるので、ジャンプするようなイメージでこの名がついた。
レトログラードやフランクミュラーのクレイジーアワーもこのジャンピングアワーの一種です。
ジャンプの際に機械に負担が掛かりやすく故障しやすいという難点があります。
複雑な構造のため、オーバーホールや故障した際の修理費用も高額になります。
ジュネーブエナメル (じゅねーぶえなめる)
エナメルの文字盤に極細の絵筆を使ってカラーエナメルで点描する技法のこと。
ジュネーブスタンプ (じゅねーぶすたんぷ) Geneva Stamp
スイス政府とジュネーヴ州によって規定された品質基準による時計。
最高級スイス時計の証明とされている。
ジュネーブで製造され、伝統的な技法尚且つ最高の仕上げが施されていることの証明である。
この称号が許されたのは、 パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、ショパール、ロジェ・デュブイといった限られたメーカーの時計だけである。
一般的には"ジュネーブシール"と言います。
最近では、同様のシールをパテックフィリップも制定しています。
これは"パテックフィリップシール"といいます。
ジュビリーブレス (じゅびりーぶれす)
ロレックスのデイトジャストなどのドレスモデルに採用されているタイプのブレスレット。
コマが5列のブレスレットで一つ一つが細かくフォーマルな印象のデザインである。
細かなコマわけになっているため綺羅びやかな印象はもちろん、手首にもよく馴染みます。
スイスメイド (すいすめいど) Swiss Made Watch
スイスの法令で以下の条件を満たしていれば、"SWISS MADE"の表記ができることになっている。

1. 内するムーブメント(駆動体)がスイス製であること
2. ムーブメントの時計への組み込みがスイス国内で行われていること
3. 製造者による最終検査がスイス国内で行われていること

スイス時計メーカーの全てがこの表記が出来るわけではありません。
スイスレバー脱進機 (すいすればーだっしんき) Swiss lever escapement
現在最もよく使われているエスケープメントで、1754年にトーマス・マッジが発明したレバー脱進機を改良したものです。
ガンギ車の歯の形がゴルフのクラブに似ていることからクラブ・ツース・レバー脱進機とも呼ばれます。
スイープセコンド (すいーぷせこんど) Sweep seconds
1秒ごとに刻むことなく、流れるように動く秒針のこと。
機械式特有の動作で、クォーツモデルは基本的にこの動作をしません。
セイコー社のスプリングドライブがこのスイープセコンドを採用しています。
パテックフィリップでも一部のクォーツモデルに使われています。
セイコー社の"スプリングドライブ"は、通常の機械式より更にスムーズなスイープを実現しています。
スクリューバック (すくりゅーばっく) screw back
時計の裏蓋をスクリュー(ねじこみ)式で固定してあるもので、蓋全体をまわす事により開閉をおこなうもの。
はめ込み式と比べ、防水性が高く5気圧~20気圧まで耐えられる。
裏蓋、ケース側それぞれにねじ切り部分が必要になるため必然的に厚く、重くなる。
他に裏蓋の固定方式としては、はめ込み式、ねじ蓋、ワンピースなどがある。
この中でもスクリューバックが最も高い耐水性能を持つ。
ダイバーズウォッチは一部を除き、ほとんどがスクリューバック。
スクリューロックリューズ (すくりゅーろっくりゅーず) screw lock crown
完全防水機構・オイスターに標準装備されているリューズのことです。ロレックスが採用したことでその革新性が話題となり、他社も現在では防水時計に広く採用しています。 リューズを押し込みながら回すことでリューズ内とパイプの両方のネジ山が噛み合い、気密性が保たれる仕組みとなっています。 ねじ込み式リューズ。
スケルトン時計 skeleton watch
ムーブメントの地板と受けを、最低限必要な部分だけを残して透かし彫りにして、歯車などのムーブメントの動きが見えるようにしたもの。
バックスケルトンとは違い、前面もスケルトンになっています。
高価なモデルや複雑な機構を搭載に多い。
ステップセコンド (すてっぷせこんど) step seconds
1秒ごとに刻むように動く秒針のことです。
クォーツムーブメントは基本的にこのタイプの運針となっており、秒針が流れるように動くスイープセコンドと対をなす機構です。
機械式の中にも一秒刻みで動く秒針を採用しているものがあり、そちらはデッドセコンドと呼ばれます。
ステンレススティール (すてんれすすてぃーる) stainless steel
鉄をベースにクロムやニッケルなどを混ぜた強度の高い合金のこと。
鉄にクロムを混ぜていくと、クロムの割合が11%位のところで、 急に耐食性(不動態皮膜の生成)が高まるため、 鉄に約11%以上のクロムを混ぜた合金のことを『ステンレス』と定めたとのこと。
添加金属の種類や割合によって、様々なステンレスの鋼種があるが大きく分けて、 磁石につくもの、つかないものの2種類がある。
偏にステンレススチールといっても高品質なものから劣悪なものまで様々なグレードがあります。
ステンレスの名の通り、錆びにくいスチールのことです。
ステンレススチール、又はSSと略して表記することも多い。
空気に触れることで表面に膜ができ錆びにくくなる。
そのためフィルムを被った状態だとサビが発生することがあります。
ストップウォッチ (すとっぷうおっち) stopwatch
一定の時間を計る計測器のこと。
懐中時計のような形状のものが多い。
ストップウォッチ機能のある時計のことを“クロノグラフ”という。
ケースサイドにスタートストップボタンがあり、そちらで操作します。
レガッタクロノグラフのような特殊タイプもあります。
ロレックスのデイトナがクロノグラフの王様として有名。
スナッチバック (すなっちばっく) snatch back
裏蓋の種類の種類の一つでケースに圧力を加えてはめ込むタイプの裏蓋のこと。
裏蓋には、他にスクリューバック、ねじ留め式がある。
密閉性がスクリューバックより劣るため、防水性能も比較的低めです。
現在では、防水性能を必要としないドレスウォッチなどによく使われています。
ポコ式ともいいます。
スプリットセコンド・クロノグラフ (すぷりっとせこんど・くろのぐらふ) split time chronograph
一度の計測で途中経過が計れるように作られたクロノグラフのこと。
計測用のクロノ針が2本あります。
国やメーカーによっては"ラトラパンテ"や"ドッペルクロノグラフ"とも呼ばれています。
似た機能のフライバッククロノグラフよりも精密に2つの連続するタイムを計測することが可能です。
スプリット・セコンド・クロノグラフ (すぷりっと・せこんど・くろのぐらふ)
同時に2つの時間を計測できる機能を持つクロノグラフのこと。
また、同時に時間を計測して、スプリット針だけを停止させたあとに、
再びスイッチを押すと動き続けていたクロノグラフ針に追いつく機能もある。
ヨーロッパでは”ラトラパンテ”と呼ばれています。
細かな計測が可能なため、スポーツ選手のトレーナーやコーチに人気です。
スプリングドライブ (すぷりんぐどらいぶ) spring drive
セイコーが開発したムーブメントのことで、機械式時計とクオーツを掛け合わせたものである。
機械式時計のように、動力は手巻で巻いたゼンマイで、クォーツ制御の脱進機を備えている。
機械式時計やクォーツ時計とは違う、非常にスムーズな針の動きを実現しています。
精度も高く、日差はほとんど出ません。
現在は、グランドセイコーやガランテの一部の高級機種に搭載されている。
スペード針 (すぺーどばり) spade hand
針の形がスペードになっており、主に短針がスペードの形になっているものが多いです。
フランクミュラーのトノーカーベックスロングアイランドなどの各モデルで採用されています。
スポーツ計時 (すぽーつけいじ) sports timing
スポーツ競技における経過時間などを計測することです。
古くは1896年に開催された第1回オリンピック・アテネ大会の男子100m走でロンジンのストップウォッチが使用されたとの記録が残っています。また、オメガはオリンピックの計時で、タグホイヤーはカーレースの計時でそれぞれブランドの名声を高めた経緯があり、機械式時計とは縁の深い分野と言えます。現在はコンピューターによる動画判定なども行われています。
スムーステンプ (すむーすてんぷ) smooth balance
チラネジやアジャストスクリューネジなどを持たないテンプのこと。
このタイプのテンプはチラネジやアジャストスクリューネジを持たず、製造段階でバランス調整が施され、精度の微調整は緩急針により行われます。
スモールセコンド (すもーるせこんど) small seconds
インダイヤルの小さい秒針のこと。
もしくはその小さな秒盤のこと。
一般的にスモールセコンドは60秒で針が一周する秒盤であるが、 秒針が複雑な動きをする秒盤も存在する。
通常の同軸セコンド(センターセコンド)とは異なるデザインを楽しむことが出来ます。
配置される位置はメーカーによって異なる。
スリッピングアタッチメント (すりっぴんぐあたっちめんと) slip-spring
自動巻き時計は原理的に装着中に常にゼンマイを巻き上げるよう働くため、過度の巻き上げでゼンマイを破損しないように安全装置としてこれが付けられています。
最後までゼンマイが巻き上がると、ゼンマイの片端についたスリッピング・アタッチメントによってゼンマイが香箱の内壁をスリップし、過剰な力を逃してゼンマイに負荷がかからないようになっています。
スワンネック緩急針 (すわんねっくかんんきゅうしん) swan neck regulator
白鳥の首の形に似ている緩急針で、微調整装置が付属しているもの。
バネとネジで緩急針のレバーを抑えており、ネジを回すことで微調整が出来る仕組みになっている。
美しい形状から装飾的な意味合いもあり、高級時計に採用されることが多い。
スーパークオーツ (すーぱーくおーつ) Super Quartz
ブライトリング開発の通常の約10倍の精度をもつクオーツムーブメントのことです。
クオーツの精度誤差に関わる特性をカバーする機能を持ち、温度補正機能付きムーブメントとも言われます。
内蔵した超小型の温度センサーにより温度変化を検知、自動的に時刻補正をします。
セキュリティープッシュボタン (せきゅりてぃーぷっしゅぼたん) security push button
クロノグラフのプッシュボタンにネジ込み式のロックを採用したもののことで、ロックを解除しないと、クロノグラフ機構が作動できないようになっています。
これにより防水性能が高まっています。
ゼニチウムZ (ぜにちうむぜっと) zenithium Z
ゼニスが耐衝撃性の向上のために開発、商標登録した新しい合金です。をするくらいのれっきとした新しい合金なのです。その組成に含まれるものには、チタンやアルミニウム、ハイドロゲンなどを特別に配合し、それぞれの特徴を引き出したものです。似た組成の合金は既に存在し、主にハイテク分野で使用されてきましたが、ゼニチウムZは時計のムーブメントに特化して開発され、独自の合金として命名されました。
ムーブメントそのものの動作から出る衝撃にも常にさらされている部品を主に保護しているため、外からの耐衝撃性の向上だけでなく、部品自体の寿命を延ばす効果が期待できます。
ゼンマイ (ぜんまい)
巻かれた渦巻き状のものが、元に戻ろうとする力を利用して機械装置の動力源とするもの。
「ぜんまいばね」という。
15世紀頃からヨーロッパで使われ始めた。
ソヌリ (そぬり) sonnerie
毎正時や15分などの一定時刻ごとに自動で作動する、自動時打ち機構のことです。
ソーラーウォッチ (そーらーうぉっち) Solar powered Clock
太陽や蛍光灯などの光からエネルギーを得て時計の駆動に必要な電力を得ている時計のこと。
夜間や暗闇では2次電池、いわゆるバッテリーを内蔵していて、
太陽電池で発電した電気の余剰分を2次電池に蓄電して供給するしくみになっている。
充電式のバッテリー駆動であるため基本的にはクォーツである。
文字盤にソーラーパネルを搭載するため、デザインやカラーリングが限定される。
太陽光があれば理論上半永久的に動く(メンテナンスなどは考慮しない場合)。
ソーラーコンパス (そーらーこんぱす) solar compass
アナログ時計全てで使用できる機能のことで、太陽の方角に時針を向け、時針の指している方向と12時方向のちょうど中間が南となります。
例えば朝の10時ちょうどなら太陽に10時方向を向けた時の11時方向が南とわかります。ちなみに南半球では反対の方角になります。
タキメーター (たきめーたー) tachymeter
クロノグラフで時間を計測した時に、時速などを簡単に割り出せる機能で文字盤の外側やベゼルに数字や目盛などで記されているもの。
時速、心拍数、単位あたりの生産量など様々な場面で利用できる。
加速を伴う時速を計測することは出来ず、平均時速となります。
スポーツクロノグラフには、ほとんどの場合このタキメーターが搭載されています。
タペストリー (たぺすとりー) tapestry
格子状のパターンが施された文字盤のこと。
碁盤のように、縦横の凸凹、もしくは直線状のラインが施されています。
本来は朝・ウール・絹などを使い、模様を描く織物の手法のひとつです。
ロレックスのデイトジャストが有名です。
ダイアル (だいある) dial
時計の文字盤のこと。
「文字板」とも書く。
職人の間では「エト」という。
普通は金属やプラスチック素材が使われることが多い。
高級なモデルであるとエナメル(七宝焼き)や貴金属を素材に使うこともあります。
ダイナモグラフ (だいなもぐらふ) Dynamograph
最良のトルクを保つ目的で、ゼンマイのトルク量を表示する機構のこと。
ダイナモグラフ針が一定の範囲内にある間はゼンマイが時計を正常に動かすだけのトルクを出している事を意味しています。
その範囲を外れたら、ゼンマイを巻く必要があることを示します。
オーデマ・ピゲによって開発されました。
ダイバーズウォッチ (だいばーずうぉっち) Diver's watch
防水機能、耐圧機能などを持つダイビングに着用可能な潜水用時計のこと。
100m以上の防水性能を持つなどISO(国際標準化機構)や、 JIS(日本工業規格)により厳密な規格が定められている。
ダイバーのために、潜水時間計測用の腕時計として回転ベゼルを備え、 深海でも時間がわかるるよう蛍光文字盤が使用されているものが多い。
ロレックスのサブマリーナが世界初のダイバーズウォッチと言われています。
現在はクォーツから機械式まで様々なダイバーズウォッチが発売されています。
 
ダイヤインデックス (だいやいんでっくす) diamond index
ダイヤ等の宝石が目盛りとして配置されているタイプのインデックス。 ゴージャスで高級感のある印象で、ロレックスのデイトジャストなどドレスウォッチに採用されることが多いインデックスです。
ダボ押し (だぼおし) side push
ケース側面にある、押しながらリューズを回すと時刻合わせができるボタンのこと。
1900年代初頭の腕時計や懐中時計に見られる機構の事で、リューズを引いて時刻合わせをするのではなく、このボタンを押しながら時刻合わせをします。
このタイプは製造された時期が短く非常に希少ですが、機能的には揺れに弱いという特性を持っています。
ダミエ柄 (だみえがら)
ルイ・ヴィトンがよく自社製品に採用することで有名な装飾模様です。 時計でも文字盤やムーブメントのローター表面に施されることがあります。ゼニスのポートロワイヤルなどがそうです。 ルイヴィトンのベルトにダミエ柄のものも存在します。
ダム・リピーター (だむ・りぴーたー)
チャペルでの礼拝中等、音を出したくない状況での使用を想定して考案されました。今の携帯電話のマナーモードにあたる時報機能と言って良いでしょう。
ジュリアン・ル・ロワによって1750年頃に考案されました。
フランス語ではモントル・ア・トックと呼ばれます。
チェリーニ (ちぇりーに)
イタリア・ルネッサン期の有名な彫金師であり彫刻家のベンベヌト・ チェリーニ。
そのチェリーニの名を冠したシリーズがロレックスに存在します。 上質な素材を使用したエレガントウォッチラインです。
チタン (ちたん) titanium
自然界には豊富に存在しますが、製錬の難しさから金属として広く用いられるようになったのは最近です。
白金や金と同レベルの耐食性を持っているのが特徴です。
軽量で金属アレルギーを起こしづらいため、腕時計を始め常に身に着ける装身具の材料として人気です。
Tiと表記します。
チラネジ (ちらねじ) balance screw
振動周期を調整する役目を果たします。
古い時計や高級機に良く見られますが、現在ではテンプの製作精度が上がり、またコストがかかることからあまり採用されることはありません。
外観の美しさから装飾用に用いられることもあります。
ツインバレル (ついんばれる) twin barrel
ゼンマイを入れる香箱が、2つ搭載されているタイプのことです。2つあることでロングパワーリザーブや高い精度を獲得できます。
ツヅミ車
リューズを回すと同時に回転する内部にあるパーツでさらに「ツヅミ車」と「キチ車」が連動してゼンマイ巻上げ作用をする。
ツメ石 (つめいし) pallet stones
進機を構成しているパーツのひとつ。アンクルのアーム先端に取り付けられた長方形の形をした人口ルビーのこと。
ガンギ車の歯と噛み合っており、回転運動を往復運動へと変換する。
テスター (てすたー) tester
機械式時計の刻音からテンプの振り角などを測定して時計の調子を調べるための装置のことです。
ウィッチ、ビブログラフなど、メーカー名で呼ばれることもあります。
日本ではタイムグラファーと呼ばれることが多い。
テルミナージュ (てるみなーじゅ) terminage
部品を全て組立ててその動作を検査する事を意味するフランス語。
テルミナージュには「ムーブメントを組み立てる事」「文字盤と針を取り付けて、ケースに収める事」「ストラップやバックルを取り付ける事」の三つの意味があります。
テレメーター (てれめーたー) telemeter
光速と音速の速度差によって、2地点間の距離を算出する機能のこと。
テレメーター搭載機には専用の目盛りがベゼル外周や文字盤内にあります。
使用例としては、雷が光ったタイミングで計測を開始し、音が聞こえた瞬間に計測をストップすると自分の位置と雷の地点との距離を計測できます。
テンプ (てんぷ) balance
機械式時計の心臓部の事。
一定の速度で振動する円形の金属。
テンワ (てんわ) balance wheel
車輪のような円形の金属で、これが振動する周期によって一定のリズムを脱進機へと送ります。
ディフュージョン (でぃふゅーじょん) diffusion
『普及』の意味で販売対象を拡大するためにブランドのイメージを生かしたまま価格を安価に抑えた新たなブランドのこと。
ディフュージョンブランド。
有名なのがロレックスの普及を目的に作られたディフュージョンブランドの「チュードル」。
コストパフォーマンスに優れたモデルをリーズナブルなプライスで実現しています。
そのため、若者にターゲットを絞ったモデルも多く支持を得ています。
元々の価格設定が低いため、買取の際には低めの査定になってしまうことが多い。
デイデイト (でいでいと) day date
時計のダイアルにある日付と曜日の表示のこと。
デイ(曜日)とデイト(日付)。
ブランドによっては月表示を組み合わせたトリプルカレンダーを指すこともあります。
ロレックス・デイデイトはこの機能から名前をつけています。
メーカーによってはデイトデイと呼ばれることもあります。
機械式時計の機能としては比較的オーソドックスである。
「デイデイトは」一般的には機能の名称ではあるが、いくつかの時計ブランドにおいてはモデル名として通じるものもあります。以下に「デイデイト」で一般的にモデル名として認識されるブランドを挙げておきます。
デイト (でいと) date
時計のダイアルにある日付表示のこと。
通常は3時や6時の位置に小さな窓がある。
モデルによっては、ポンターデイトと呼ばれる文字盤外周にあるものもあります。
一ヶ月が31日まで無い月は月初めに日付の再設定が必要です。
デイトジャスト機構 (でいとじゃすときこう) datejust
1945年にロレックスが開発した、小窓に表示している日付が、毎日午前0時に瞬時に切り替わる機構のこと。
日付の円盤にスプリングを加えることでこの機構を実現した。
この機構を"デイトジャスト"と呼称しているのは特許を持つロレックスのみになります。
デジタル時計 (でじたるとけい) digital clock (watch)
時刻をデジタル表示する時計のこと。
G-SHOCKがデジタル時計で有名。
クォーツムーブメントを採用していることが多い。
電気的な回路が必要なため故障の際にはムーブメントの載せ替えが必要な場合が多い。
複雑機構を用い、デジタル風に見せる機械式時計もあります。
正確な表示をしますが、感覚的に視認するには不向き。
デッドセコンド (でっどせこんど) dead seconds
秒針がジャンプするのは一般的なクォーツ時計の特徴ですが、機械式時計の場合も特殊な機構を搭載することに可能になる機能です。
ブレゲはこれを「セコンド・ダン・クープ」、「サドン・セコンド」と呼びました。
トゥールビヨン (とぅーるびよん) tourbillon
機械式時計で生じる姿勢差を解決するために発明された脱進機(エスケープメント)。
スーパーコンプリケーション(超複雑機構)のひとつ。
脱進機を収めたキャリッジが常時回転することにより姿勢差によりムーブメントの負担や誤差を低減する機構です。
あまり意識していない人が多いですが、機械式時計は姿勢により精度に大幅は変動が起こります。
1800年前後にブレゲが最初に発明し、フランス語で「渦」の意味を持っています。
世界最高峰の複雑機構と言われており、作れる者はもちろんですが修理が出来る者も限られています。
そのため、各メーカーが自社の技術力をアピールするために採算度外視で定番コレクションに加えているメーカーも多い。
立体的な動きをする3Dトゥールビヨンというのもあります。
現在はトゥールビヨンを搭載した安価な時計も登場しています。
トノーケース (とのーけーす) tonneau case
フランス語で「tonneau」は樽のこと。
時計に関しては樽型のケースのことを指します。
20世紀初頭の意匠で、従来はレディースモデルで多用されましたが、近年ではメンズモデルも見られます。
フランクミュラーがトノーケースの時計を多く発売しています。
トライアングルインデックス (とらいあんぐるいんでっくす)
三角形のマークにより時刻を表すタイプのインデックス。
シャープな印象のエッジが効いたデザインです。
オメガのレールマスターなどで採用されています。
トリオビス緩急微調整装置 (とりおびすかんきゅうびちょうせいそうち) trio-vis (spirofin) fine adjustment
高級機に採用される緩急装置のこと。
現在広く採用される緩急装置であるエタクロンよりも高精度な調整が可能であり、長期的な安定性も高い仕組みです。
IWC、ジャガー・ルクルト、ノモスなどで採用されていますが、現在高級機は緩急針を持たないフリースプラング方式に移行するところが多く、この方式を採用するメーカーは少なくなってきています。
トリチウム (とりちうむ) tritium
ラジウムの後に一般的に使われるようになった夜光塗料。
放射性同位体のためごく微量の放射線を放出する。
通常腕時計では文字盤にこの塗料が使われても、
その上をガラスやプラスチックの風防で覆うため、人体への影響はまずありません。
時が経つにつれて発光力が弱まっていくため、
トリチウムが使われているアンティークウォッチは発光しないものがほとんどです。
現在トリチウムは、ルミノバの普及により時計の夜光塗料には使用されていません。
トリプルカレンダー (とりぷるかれんだー) triple calendar
月、日、曜日の"3つ"のカレンダー表示が搭載された機構のこと。
ダイアル上の小窓の数字で表示される場合、ポインターデイト表示される場合がある。
日本では略して"トリカレ"を呼ばれています。
デイデイトに月表示を追加した機能です。
ムーンフェイズと組み合わせることも多い。
有名な機種はオメガのスピードマスターデイデイト。
フルカレンダー。
トリマー (とりまー) trimmer
周波数調整を行う水晶振動子を含む発振回路のことをこう呼びます。
ドットインデックス (どっといんでっくす) dot index
柔らかくポップな印象のデザインです。 また視認性が高いためダイバーズが採用していたり、夜光塗料が付いていることも多いです。代表的な採用例としてはロレックスのサブマリーナなど。 ポイントインデックスとも言います。 腕時計としては一般的で広く用いられているインデックスタイプ。
ドーフィン針 (どーふぃんばり) dauphine
万年筆の先のように尖った形状をしています。
ドルフィン針とも呼ばれ、フランス王太子妃を意味する言葉です。
この針を採用している代表的なモデルには「ジャガールクルト・マスターコントロール」、「パテックフィリップ・カラトラバ」、「ランゲ&ゾーネ・ランゲ1」などがあります。
ドーム風防 (どーむふうぼう) cambered glass
中心が盛り上がったような形状の風防のことです。どのような角度からも文字盤を読みやすいという利点があります。
プラスチック風防によく見られるタイプのもので、サファイヤクリスタルガラスでこのタイプのものを成型するには高い技術力が要求されます。
ハイビート (はいびーと) high beat
21,600振動/時よりも大きな振動数のムーブメントのこと。
現在の市販時計での振動数はゼニスのエルプリメロやセイコーハイビートが36,000振動/時と最大の振動数を誇る。
ハイビートならではのスムーズな針の動きは時計ファン垂涎です。
振動数が多いとパーツにかかる負担が大きく、壊れやすいというデメリットがあります。
そのこともあり、一時期ロレックスのデイトナに搭載されていたエルプリメロは振動数を減らし耐久性を向上させるというカスタムが施されていました。
ハイビートを作れることがムーブメントメーカーのステータスでもあり、セイコー社が得意としています。
ハカマ (はかま) pipe
針を歯車の軸に固定するためにつけられたパイプのこと。
薄い金属製の針を安定して歯車の軸に固定するためにつけられています。
これがついていない針もあります。
ハック機能 (はっくきのう)
時刻合わせの際に秒針が止まる機能。
近年の時計にはほとんど搭載されていますが、アンティークウォッチの場合は搭載されていないことが多いです。
ノンハックの時計は時刻合わせが難しいため、現行の時計ではほとんど見ることはありません。
安価な機械式時計には稀に搭載されています。
この機能が搭載されていない時計は、秒針を正確に設定することが出来ません。
ハンターケース (はんたーけーす)
ダイヤル面に蓋が備えられたケースのこと。 元々は懐中時計に使用されていましたが、現在では一部の腕時計に採用されています。 蓋があるため、そのままでは時刻が確認出来ず開閉する必要がある。
ハンド
ハート・カム (はーと・かむ) heart cam
クロノグラフの積算計の針をリセットするための部品です。
クロノグラフのリセットボタンを操作すると、ハンマーがこの部品を叩いて歯車を0位置まで回転させます。
バックスケルトン (ばっくすけるとん) back skelton
通常は時計ケースに囲われてなかなか目にすることのないムーブメントを外から見えるように時計ケースの裏蓋をガラスやプラスチックなど透明な素材でつくり、内部が見えるようにしてある時計をバックスケルトンという。
裏スケと略して呼ぶことも多い。
バックル (ばっくる) buckle
時計のベルトやブレスレットについている留め具のこと。
尾錠やクラスプといった呼び方もあります。
様々なタイプがありますが現在主流なのは、D(ディプロイメント)バックルと呼ばれるタイプです。
腕時計であれば基本的にバックルが存在しますが、極稀にバックルを使用しないものもあります。
バッファロー (ばっふぁろー) buffalo
南アジア原産の水牛の革のこと。
水、汗に強く丈夫でシボが大きいのが特徴です。
バッファローは防水時計、多針時計が多くなった現在、汗に強く厚手のため大型の時計には好く似合う時計バンドとして使用されることが多くなりました。
硬質な素材のため、肌あたりはあまり良くない。
バトン針 (ばとんばり)
時計の針の種類の一つで、バトンのような棒状で先端がとがっている針のこと。
カルティエの時計に多く採用されています。
バネ棒 (ばねぼう)
ケースとベルトを固定する金具。
金具の中にバネが入っているためその伸び縮みを利用して脱着する。
専用の工具や小型の精密ドライバーで簡単に取りはずしが可能。
メタルブレスだとフラッシュフィットの内部に隠れていることが多い。
バネ棒自体にツマミが付いてあり、工具を用いず脱着出来るタイプもあります。
近年ではバネ棒を使用せず専用のアタッチメントでベルトを取り外せる物もあります。
バブルバック (ばぶるばっく) Bubble Back
自動巻き草創期の分厚い裏蓋のこと。
自動巻きのムーブメントの草創期は、 手巻きムーブメント用のケースに自動巻ムーブメントと搭載したため、 裏蓋にかなり厚さがありバブルのように泡状に膨らんだ形状だったため『バブルバック』と呼ばれている。
フラットバックとバブルバックの中間のセミバブルという形状のタイプもあります。
可愛らしいフォルムで、コレクターではない人にも人気です。
バルジュー (ばるじゅー)
エボーシュメーカー。
上質なムーブメントを製造するメーカー。
クロノグラフムーブメントで一躍有名になりました。
かつてパテックフィリップもバルジューのムーブメントを使用していたことがあります。
バレル
バンパー式自動巻き (ばんぱーしきじどうまき)
バンパーを使用し、ローターを半回転で巻き上げる方式。
そのため、着用時にバンパーの振動を感じる事がある。
アンティーク時計に多く、近年の時計に搭載されていない。
バーインデックス (ばーいんでっくす)
数字ではなくバーで表示されているインデックスのこと。
文字盤のデザインをスッキリとさせ視認性を向上させます。
非常にシンプルなインデックス方式。
プリントではなく、金属製で作られたバーを使っている事が多い。
バージ・エスケープメント (ばーじ・えすけーぷめんと) verge escapement
時計や懐中時計に14世紀から1800年前後まで採用されていた脱進機で、バージはラテン語のvirga(小枝,棒)に由来しています。
この脱進機の登場により時間の計測の心臓部が水時計のような「一方向の流れ」の仕組みから、 振り子の揺れのような「反復振動」の仕組みへとシフトしました。
バーゼルワールド (ばーぜるわーるど) besel world
毎年春先3月頃にスイス・バーゼルにおいて開催される時計、宝飾関連の祭典である。
時計や宝飾品関連の有名メーカーが、 それぞれの新製品や珍しい製品を発表する世界最大規模のショーになります。
世界各地のビジターが、最新のトレンドを見極めるために、毎年バーゼルへ行きます。
一流ブランドの世界が見せる最高レベルをここで体感できます。
時計のプロフェッショナルだけでなく、一般客の入場も可である。
SIHHと共に、世界2大時計ショーのうちのひとつ。
全世界の時計ファンが注目しています。
バー針 (ばーばり) bar hand
その名の通りシンプルな棒状の針です。ロレックスの各種モデルシャネルのJ12等で採用されています。
パイヨン (ぱいよん) paillon
型抜きされた金や銀の薄片のこと。
金ロウの小片で、エナメル装飾に用いられます。
パテックフィリップシール (ぱてっくふぃりっぷしーる) Patek Philippe Seal
パテック・フィリップ・シールの制定は、パテック・フィリップの品質の裏側を社内外に公式に公開し、伝達し、顧客に卓越した優れた保証をもたらすことを目的としています。 パテック・フィリップ・シールの方針は、他の時計会社のベンチマークよりも厳しく厳格であり、最も重要なことは時計全体を包み込むことです。 そして、120年以上経過したPatek Philippeは、2009年半ばから長年のジュネーブシールをパテックフィリップシールと交換し始めました。この交換には約2年かかります。ジュネーブシールはメカニカルウォッチ(機械式時計)のみに適用されます 。 http://www.patek.com/en/communication/technical-articles/patek-philippe-seal-ron-decorte
パラジウムメッキ (ぱらじうむめっき) palladium
パラジウム(Pd)は、 白金族〔白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru) イリジウム(Ir) 、オスミウム(Os)、Pdの6種類〕の一つ。
いずれも高価な金属だが、パラジウムの触媒特性、 電気伝導性(接点)、水素吸蔵特性は、白金属メッキが持っている特異な機能である。
純パラジウムはアレルギーを起こさない。
金メッキの下地として耐食性を上げる役割の他、 ロジウムの代わりの銀白色メッキとして使われるが、ロジウムよりは多少暗い感じの色調です。
艶のある白い光沢感がある。
価格がリーズナブルである。
ただしホワイトゴールドという名称で、 白金に見えるように純金にパラジュウムやロジウムを混ぜた合金ケースもありますが、 この場合ではケースの素材から加工までにかかるコストが非常に高価になる。
現在ではパラジウム無垢の時計もあります。
パルスメーター
パワーリザーブ (ぱわーりざーぶ)
機械式時計の巻き上げ量のこと。
一般的にパワーリザーブと呼ばれる機能は、 巻き上げ残量を確認するパワーリザーブインジケーターのことを指します。
パーペチュアルカレンダー (ぱーぺちゅあるかれんだー) perpetual calendar
パーペチュアルとは『永久に』という意味で、 月による日数の違いやうるう年の調整を自動的に行う機能のこと。
実際には永久ではなく、現実的に使用に耐えうる2100年まで対応しているものが多い。
複雑な構造を必要とするため機械式時計にこの機能を搭載すると、 製作にコストと長い時間がかかります。
また一度日付が狂うと調整をメーカーで行わなければならない場合もある。
ロレックスのパーペチュアルは自動巻きムーブメントを意味しているためこの機能とは異なります。
パーペチュアル機構 (ぱーぺちゅあるきこう)
ロレックスが開発して自動巻き上げ機構のひとつ。
ローターが時計回り、 あるいは反時計回りどちらに回しても巻き上がる360度回転式ローターによる全回転機構である。
ロレックス以外ではあまりパーペチュアルという呼び方はしないようです。
永久カレンダーのパーペチュアルカレンダーとは全く別の機能。
ヒゲゼンマイ (ひげぜんまい) balance spring
テンプの天真(中心軸)に取り付けられている金属製の帯のような形をし、渦巻きのように巻かれているスプリング状のもの。
ゼンマイが巻きあがるときに動力が蓄えられ、ほどける力が歯車に伝えられ、この力が左右の一定振動に切り替えられている。
ゼンマイの幅、厚さ、長さはトルクに大きく影響する。
ゼンマイの受ける力を一定にするためにS字状をしている。
合金で作られることが多い。
ヒゲ持ち (ひげもち) stud
現在の時計では可動ヒゲ持ちという、移動することで片振りを修正することができるのタイプのものが一般的です。
ビッグカレンダー (びっぐかれんだー) big calendar
日付の一の位と十の位を別の窓から表示するカレンダーのこと。
日付を一の位と十の位をそれぞれ別のディスクで表示しており、視認性の高いビッグサイズの数字からこのように呼ばれています。
通常のデイトと異なり可動部分が増えるため、構造も複雑化しています。
別名ビッグデイトとも呼ばれます。
ピッグスキン (ぴっぐすきん) pigskin
豚の皮(革)のこと。
表面は毛穴が大きく凸凹がはげしく粗いが薄い。
水や汗によるシミがつくと目立ってしまうとう欠点がある。
安価な素材として使われることが多い。
ピンクゴールド (ぴんくごーるど) pink gold
K18の組成が金75%、残りの25%が銀、銅、パラジウムの合金であるもの。
この銀、銅、パラジウムの配分率は特に決められてはいないがピンク色になるように銅の割合が多くなっている。
経年変化によりピンク色が抜け、イエローゴールドに近い色になることがあります。
ブランドによってはローズゴールドと呼称することもあります。
素材ではなく同様のカラーを指す場合もある。
女性に人気が高い。
ファセット加工 (ふぁせっとかこう) facet cut
ダイヤモンドなどの宝石の加工方法の一つで、表面に角度の違う多数の切子面(ファセット)を作ることで光を屈折させ、内部から輝いているような効果を持たせるカット技法です。時計では風防ガラス等に用いられ、タグホイヤーのグランドカレラなどで採用されています。
フライバック (ふらいばっく) fly-back
時計のクロノグラフ機能のひとつ。
計測中にリセットボタンを押すと計測がリセットされ、そのまま計測を継続する機能のこと。
継続した2つのタイムが計測出来ます。
スプリットセコンドとは異なります。
フランケ (ふらんけ) flinque
手工具やローズ・エンジンと呼ばれる専用の旋盤を使用して、加工物を回転させながら直線や曲線を彫った装飾のことです。
タグホイヤーのカレラ ヘリテージ キャリバー6などで採用されています。
フリースプラング (ふりーすぷらんぐ) free sprung balance
緩急針がないテンプのこと。
ヒゲゼンマイの長さではなく、テン輪に付けられた錘の位置を調整することで、時計の精度を調節する仕組みになっているテンプのことです。
フルーテッドベゼル (ふるーてっどべぜる) fluted bezel
均等に縦縞模様(ギザギザ)にカッティングされているベゼルのこと。
主にデイトジャストに採用されている。
フレアード (ふれあーど) flared
ケースの両サイドが内側に湾曲し、絞られている形になっているケースのことで、パテックフィリップからフレアードケースを採用した「フレアード」という名前のモデルがリリースされています。
ブラックアウト(エクスプローラ) (ぶらっくあうと(えくすぷろーら)) blackout
ロレックス エクスプローラⅠのRef.14270の初期生産分に極僅かに存在する、インデックス部分の塗料が通常と異なり黒くなっているモデルです。
ブラックアウト仕様の14270は希少価値があるとされています。
現行モデルのエクスプローラーであるRef.214270は全てブラックアウト仕様になっています。
ブリッジ (ぶりっじ)
ムーブメントの歯車、テンプの真軸を支える板のこと。
橋のような役目をすることからその名が付きました。
日本語では「受け」と言う。
ブルースチール (ぶるーすちーる) blue steel
鋼に焼き入れ、焼き戻しをすることにより青色の被膜を形成した素材のこと。
仕上げに研磨することで美しい青色になる。
時計では針やネジに使用されることが多い。
焼き入れをすることで硬く丈夫になり、メッキよりも錆びにくいという特徴がある。
ブレゲ (ぶれげ) Breguet
スイス出身の天才時計職人ブレゲ。
姓名はアブラアム・ルイ・ブルゲ(Abraham Louis Breguet)。
1747年1月10日スイスで出生、1823年9月17日フランスパリで没。
フランス、パリで様々な時計の開発を行い、その業績は時計の歴史を200年早めたと言われている。
ミニッツリピーター、トゥールビヨン機構、ブレゲひげなどブレゲが開発して機構は現在でも超高級時計として用いられている。
ブレゲ社は、世界三大高級腕時計ブランドと並んで有名である。
ブルゲとブレゲは発音違いで同一人物です。
ブレゲひげぜんまい (ぶれげひげぜんまい)
ブレゲが考案した等時性をよくするためのひげぜんまいのこと。
1795年に発明されました。
ヒゲぜんまいの一番外側を1段高くして、外端を内側に入れることにより、
ヒゲの収縮を一定にさせて、そこにひげ持ちや緩急針をつけることにより等時性を良くしている。
通常ひげぜんまいはテンプ中心から見てヒゲ持ちがついている方向のヒゲぜんまいの収縮は小さく、 その反対側のヒゲぜんまいは勢い良く収縮して収縮が一定しない。
一番外側を一段高くすると、 高さが必要になるがロレックスなどブレゲ以外のメーカーでも使用しているモデルが稀にあります。
ブレゲ数字 (ぶれげすうじ)
ブレゲがデザインしたインデックス数字のこと。
細いアラビア数字で描かれている。
現在はブレゲだけでなく各社がこのフォントを仕様しています。
ややポップな可愛らしい印象を与えるフォントです。
ブレゲ針 (ぶれげはり)
先端の丸い部分に中心から偏った穴を開けて、月のようなイメージにしているブレゲが考案した時計の針の形状のこと。
1783年頃に考案された。
ブレゲ社の時計に採用されている針の名称だが、他社の物でも同形状の物はそう呼ばれています。
クラシカルは雰囲気を持っているため、スポーツモデルにはあまり使われずフォーマルウォッチに採用されることが多いようです。
ブレスレット (ぶれすれっと)
腕時計のベルト部のこと。
ブレスレットと呼ぶ場合は、レザーなどの布類ではなくメタル(金属)タイプである場合が多い。
一般的に腕時計のブレスレットは、ステンレススチールという硬質な錆びにくい金属で造られている。
サイズ調整には専用の工具が必要。
バンドやストラップ、ベルト、バングル等いくつかの呼び方がある。
プラチナ (ぷらちな)
貴金属の種類。
金や銀、銅のような希少金属です。
比重が高く、重量の重さが特徴で金以上の重量です。
素材の色みはシルバーに近い色をしています。
以前はゴールドを凌ぐ高値で取引されていましたが、 近年ゴールドの値上がりにより同水準となっています。
しかし上記の通り、比重が高い金属のため同じ大きさの金よりも高価になります。
プレジデントブレス (ぷれじでんとぶれす) president bracelet
ロレックスのデイデイトに多く見られるタイプのブレスです。 非常に高級感のある印象になりますが、他のタイプよりもブレスが伸びやすいという特徴もあります。 三連タイプ。
ヘアライン加工 (へあらいんかこう) hair line
ステンレスやアルミニウムなどの金属の表面に施される艶消しの仕上げ法のこと。
髪の毛ように細く細かい傷(ヘアライン)を表面に付ける方法である。
製品レベルの仕上げを行うには高い技能が必要です。
時計だけでなく金属加工に用いられる用語。
傷を目立ちにくくする効果もある。
ヘリウムエスケープバルブ (へりうむえすけーぷばるぶ) helium escape valve
飽和潜水時に時計内部に侵入するヘリウムガスを自動的に排出して、 ガラス(風防)及び時計ケースの破損を防ぐためのバルブです。
圧力の変化により自動で動作します。
本格的なダイバーズウォッチ(潜水時計)に装備されていることのある機能です。
オメガ・シーマスタープロフェッショナルやロレックス・シードウェラーなどに搭載されています。
自動ではなく使用前にリューズ式バルブを緩める必要があるモデルもあります。
飽和潜水時には必要な機能です。
ベゼル (べぜる) Bezel
ケース外周のリング状のパーツのこと。
風防の縁にある金属のパーツのことを指します。

特にダイバーズウオッチではベゼルを回転させて潜水時間(ボンベの残量時間)の計測に使用する。
これを『回転式ベゼル』という。
反対に回転しないタイプを『フィクスドベゼル』といいます。
通常ベゼルは風防の外周にありますが、風防内部にあるインナーベゼルというタイプもあります。
ペラトン式 (ぺらとんしき) pellaton system
1950年代に開発され、Cal.85に搭載されたのが最初です。
その後は85XXというCal.ナンバリングで搭載機が派生していきました。
70年代に起きたクォーツショックをきっかけにベラトン式のものも含めてIWCの自社製キャリバーは無くなり、1980~90年代はジャガールクルトやETA社からの供給を受けて時計製作を行いました。
しかしIWCは2000年のバーゼルフェアにおいて約30年ぶりに自社製自動巻キャリバーCal.5000を発表、この時採用されたのがペラトン式です。
現行モデルではポルトギーゼなどに採用されています。
ペルペチュエル (ぺるぺちゅえる) Perpétuelle
まだ懐中時計が普及しはじめたばかりの18世紀、ゼンマイは手で巻き上げるのが一般的でした。
ブレゲの創始者アブラアン-ルイ・ブレゲ自身がフランス語で「永久時計」を意味する「モントレ・ペルペチュエル」と命名した時計は、使用者が歩いたり乗り物に乗ったりしている間にゼンマイが自動的に巻き上げられる機構を備えています。
巻き上げは軸を起点にして上下に揺れる分銅を通じて行われ、今日の回転式のローターとは違った自動巻機構を採用しています。
パーペチュアル。
ペルラージュ模様 (ぺるらーじゅもよう) perlage
ムーブメントの地盤などに施されている多数の円状の窪みが重なりあった装飾技法のこと。
魚の鱗のように光に当たると程良い輝きを発する。
ペンシル針 (ぺんしるばり)
時計の針の種類の一つで鉛筆(ペンシル)のような形をした針のこと。
パネライの時計などに採用されています。
ホワイトゴールド (ほわいとごーるど) white gold
K18の組成が金75%、残りの25%が銀、銅、パラジウムの合金であるもの。
さらに美しく白色を発色させるためにロジウムコーティング(鍍金)がされている。
プラチナとは違い、元々の素材がイエローゴールドのため経年変化により黄色みがかかることがあります。
K24は存在しない。
ホールクロック (ほーるくろっく)
大型の置き時計のこと。
主に屋内のエントランスやホールに設置される。
非常に大きく人間の背丈ほどのサイズが一般的です。
機械式やクォーツなど様々なタイプがあります。
アンティークのものは時計ファンだけでなく、骨董品マニアにも人気です。
ホールマーク (ほーるまーく) hallmark
貴金属に入っている刻印のことで、4~5個のマークで構成されているのが一般的です。 ロンドンの金銀細工業者が1300年ごろに、偽造や模倣防止のため貴金属製品に刻印したのが始まりと言われています。 ホールマークを見ることでその製品がいつ頃、どこで作られ、どんな品質のものなのかが分かるようになっています。 ホールマークはアンティークウォッチの出自を推測する目安にもなります。
ボーイズサイズ (ぼーいずさいず) boys size
レディースサイズとメンズサイズの中間にあたるサイズのこと。
正式には“ミディアムサイズ”と呼ばれているものである。
一般的には女性が使用するサイズ。
ブランドによってはミディアムと呼ばれることもあります。
ケースサイズが30ミリ前後が一般的。
ボールベアリング (ぼーるべありんぐ) ball bearing
一般的なローターのパーツの一つですが、時計のものはローターを滑らかに回転させ、磨耗を低減するために使用されています。
時計専用の部品ではなく、工業製品には広く一般的に使われています。
ポインターデイト (ぽいんたーでいと) pointer date
日付表示をインナーベゼルと針で指し示す機構のこと。
ダイヤル内の外周に日付が描かれており、それを針が指すことによって日付を確認出来ます。
インダイヤルに搭載されていることもあります。
スピードマスターデイデイトやオリスのビッグクラウンポインターデイトが代表的。
ポコ式 (ぽこしき)
時計の裏蓋がはめ込み式になっていること。
ポコ蓋とも呼びます。
アンティークウォッチや廉価な時計に多い。
工具を用いることでカンタンに裏蓋を外すことが出来る。
防水性能が低い。
ポリッシュドベゼル (ぽりっしゅど べぜる) polished bezel
平らで鏡面のように磨かれた(ポリッシュ)艶のある仕上げが施されたベゼルのこと。
様々なモデルで採用されている。
日本では、ロレックスなどで使われているポリッシュされたベゼルをツルツルベゼルと呼ばれることもあります。
美しく高級感が増すが傷がつきやすいというデメリットもある。
ポリッシュという仕上げ方法はベゼル以外にも施されます。
金属加工の手法であるため、時計以外にも用いられます。
ポリッシュ仕上げ (ぽりっしゅしあげ) polish
ケース外装などの金属仕上げ方法の一種。
ピカピカにする仕上げ。
鏡面仕上げともいう。
その名の通り、鏡のように周囲のものが映りこむくらいに光る仕上げ。
金属加工としては比較的カンタンなスタンダード技法。
パーツごとにヘアライン仕上げと組み合わせることも多い。
ポーセリン (ぽーせりん)
陶磁器で作られたもの。
マイクロアジャストスクリュー (まいくろあじゃすとスクリュー)
チラネジのこと。
「アジャストスクリュー」「マイクロステラスクリュー」ともいう。
時計の精度を高めるために付けられたものだが、装飾的な意味合いも強い。
マイクロステラスクリュー (まいくろすてらすくりゅー)
テンプのテン輪の外側に付けられたネジのこと。
"チラネジ"ともいう。
テンプ自体のバランスをとり、精度調節の役割を持つ。
最近の時計にはあまり利用されていない。
マイクロステラナット (まいくろすてらなっと)
現在ロレックスが採用しているフリースプラング・テンプの内側に備わっている部品のこと。
大小一組ずつ、計4つのナットからなる部品のことで、緩急針を使用しないフリースプラング形式ではこれらをテンワに近づけたり離したりすることで精度調整を行います。
マイクロローター (まいくろろーたー) micro rotor
自動巻きのムーブメントに搭載されるローターで、 一般的なローターのサイズよりも約小型化されたローターのこと。
約1センチくらいである。
ムーブメントのセンターではなく、オフセットされていることが多い。
貴金属などを使い巻き上げ効率を高めています。
視覚的にも魅力的であるため、コレクタブルな高級時計に搭載されていることが多い。
マグネットプッシュボタン (まぐねっとぷっしゅぼたん) magnetic pushpiece
ブライトリングが独自開発したクロノグラフ機構の一つで、クロノグラフの操作をケースの外側から磁力を用いて行うためケースに穴を開ける必要がなく、水中でもクロノグラフの操作を可能にしました。
マグネティックピボット (まぐねてぃっくぴぼっと) magnetic pivot
ブレゲが2013年のバーゼルワールドで発表した新作、クラシッククロノメトリー7727に採用した新機構です。
このモデルではシリコン製のムーブメントを採用することで磁気帯びのリスクを大きく減らし、更に時計の心臓部に磁石を組み込むことが可能になりました。磁力による固定は重力の影響を受けづらく、ルビーとの隙間があるため衝撃にも強くなっています。
マザーオブパール (まざーおぶぱーる) mother of pearl
その名の通り“真珠の母”つまり、真珠をつくるの貝殻のこと。
主に時計のダイヤルに使用され、光の加減により光沢が変化する。
パワーストーンとしては、子宝や子育てのお守りとして、また女性としての内面的な魅力、優しさ、慈しみなどを引き出してくれたり、母性愛を高めるパワーがあるとされている。
単純に、シェルや略してM.O.Pと呼ぶこともあります。
マジックレバー方式 (まじっくればーほうしき) Magic Lever
セイコーが考案した腕時計の自動巻き機構のこと。
切り替え車式に比べると部品数が少なくなっており、量産向けだが巻き上げ時の音が大きくなっている。
マニュファクチュール (まにゅふぁくちゅーる) manufacture
時計の本体を自社で一貫製造するメーカーのこと。
厳密には規格、設計、デザイン、 組み立ては自社でしているが一部のパーツは他社生産ということもあるといわれている。
反対にムーブメント(エボーシュ)をETA社などから購入して時計を製造するメーカーを、エタブリスールまたはアッセンブラーという。
一貫製造とはいえ、ヒゲゼンマイに関しては社外で製作しているマニュファクチュールも多いようです。
スイス時計メーカーとして、パテックフィリップやジャガールクルトがマニュファクチュールとして知られています。
近年では、ブライトリングやパネライもマニュファクチュールの仲間入りを果たしました。

マニュファクチュールという言葉は時計専門用語ではないため、正確には時計マニュファクチュールといいます。
国によっては、マニュファトゥーラと発音します。
ミニアチュール (みにあちゅーる) miniature(フランス語)
写本などに装飾や挿絵として描かれた小さな絵のこと。
細密画ともいう。古代ローマで用いられた朱色のインク“鉛丹”に由来する。
ミニッツリピーター (みにっつりぴーたー) minutes repeater
時間、分をそれぞれ別々の音階で音を鳴らして、 各音階の音の回数で現在の時刻を知らせるようにした機構のこと。
18世紀末"ブレゲ"が発明した機構で、非常に複雑な構造をしています。
機械式時計に、この機構を搭載するとトゥールビヨンクラスの金額になります。
ミネラルガラス (みねらるがらす) mineral glass
腕時計の風防に使われている一般的なガラスが「ミネラルガラス」です。
特に硬度があるわけではないので傷がつきやすい。
ミネラルガラスに壊れ難さ、傷付き難さを増したガラスが「サファイヤクリスタル・ガラス」です。

無機ガラスとしては同じ分類になりますが、成分は全く異なります。 ミネラルガラスの主な成分はケイ酸、ホウ酸、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等自然な材質であるのに対し、サファイヤクリスタル・ガラスは人口サファイヤという人口物質を主原料とします。 ミネラルガラスはサファイクリスタル・ガラスと対比され単にクリスタル・ガラスと呼ばれることもあります。

アンティークの腕時計などで使われていたいわゆるプラスチックのガラスは有機ガラスといわれ、性質的にミネラルガラスとは全く異なります。
"有機ガラス"と呼ばれることもあります。
最近では高級時計では使われることが減ったミネラルガラスですが、ミネラルガラスがまだ使われているモデルも存在します。
体表的なところでは以下があります。
ミネラルガラスは傷が付きやすいですが研磨して傷を消すことができることも愛着を覚える機能の一つといえるかもしれません。
ミリタリーウォッチ (みりたりーうぉっち) militarywatch
陸軍、海軍、空軍や特殊部隊等で使用される時計を、一般に機能性を重視して進化させた腕時計のこと。
タキメーター、クロノグラフ、カレンダー機能を持つもの、 暗闇でも抜群の視認性を持つもの、防水性、耐久性、耐汗性が高いものなど日常生活でも役立つ便利な腕時計となっている。
ロレックスのサブマリーナも軍に支給されていた歴史があります。
メタルブレスではなく、リボン(NATO)ベルトが主流です。
IWCのマークシリーズやSinnのEZMシリーズが有名です。
ミルスペック (みるすぺっく) millitary specification
米国国防省が定める多種多様な品物の仕様の規格のこと。
ミリタリースペック(military spec)の略称です。
通常品に比べ、各パーツに高い精度が求められます。
そのためコストが高くつくことがあります。
時計の専門用語ではなく、様々な分野の軍事製品に用いられます。
ミーンタイムスクリュー (みーんたいむすくりゅー) mean time screw
緩急の調整を行うためのウエイトの役割を果たしています。ロレックス等のテンプに4つだけ付いているのはこちらになります。
アンティークの高級な懐中時計などには、金無垢のチラネジに対しミーンタイムスクリューはプラチナ製かつ、ネジの部分が長いものなどがあります。
ムーブメント (むーぶめんと) movement
腕時計の内部に搭載されている機械のことをムーブメントという。
また、このムーブメントの型番のをキャリバー(Cal.)と言います。
ムーブメントには、クォーツタイプや機械式タイプがあります。
現在では、スプリングドライブというセイコー社独自のタイプもあります。
ムーブや機械と略されることもあります。
腕時計の内部には必ず搭載されています。
ムーンフェイズ (むーんふぇいず) moonphase
文字盤上にある月齢表示で、月の満ち欠けを知ることが出来る機構のこと。
月の満ち欠けの周期から、
ダイアル上に描かれた夜空や月が描かれたプレートが29.5日で半回転する仕組みで、
18世紀にブレゲの創始者であるアブラアン・ルイ・ブレゲが発明したとされる。
いわゆる月齢カレンダーのことです。
メインスプリング (めいんすぷりんぐ) Mainspring
時計のムーブメントにあるゼンマイのこと。
ゼンマイを巻き、そのほどける力が機械式時計の動力源となっている。
機械式時計であれば必ずついています。
メテオライト (めておらいと) meteorite dial
ロレックスのデイトナの一部のモデルで採用される、非常に希少な隕石素材を使った豪華な文字盤です。
素材の性質上、同じ模様のものは2つと存在しません。
メメントダイヤル (めめんとだいやる) memento dial
ある時刻を表示させておける12時間表示のインダイヤルのこと、及びこれを備えた腕時計のことです。事前の約束などの時間を記録することができます。計時機能とは無関係です。
メルセデス針 (めるせですばり) mercedes hand
短針にベンツマークがあしらわれているのが大きな特徴です。 自動車メーカー・メルセデスベンツのマークに似ていることからこう呼ばれています。 長針は先端に行くほど太くなります。ロレックスの各モデルで採用されています。
モジュール (もじゅーる) module
特定の機能のためのパーツが一まとまりになっているもののことをこう呼びます。 モジュール方式はベースムーブメントに対して付加機能を追加する方法のことで、機能をまるごと取り付けたり取り外したりが簡便なため、多種多様なモジュールを開発することで、ベースムーブメントにバリエーション豊富な機能を持たせることができます。 現在一般的な方式のひとつです。
モース硬度 (もーすこうど)
鉱物などの物質の硬さを表す尺度のことです。1~10の十段階が設定されます。ダイヤモンドを10として、相対的に設定していきます。これは「ある物質で引っ掻いた場合のキズのつきにくさ」を表す数値であり、「叩いた場合の壊れにくさ」を表すものではありません。
時計の風防でよく採用されるサファイアはモース硬度9にあたり、擦り傷にはかなり強いと言えます。
ユニタス (ゆにたす)
オーガスト・レイモンドが1920年代に懐中時計用に開発したキャリバーのことです。腕時計に応用されることで時計デザインのバリエーションを押し広げました。
現在もETA社で製作されています。
ユニークインデックス (ゆにーくいんでっくす)
アラビア数字とローマ数字で表示されているインデックスのこと。
インデックスの12時側と6時側が2つの異なるタイプの数字を組み合わせたインデックスで、 アンティークのロレックスやチュードルに多く見られる仕様。
現在、一部のパネライの時計にも採用されており希少価値がついています。
ライダータブ (らいだーたぶ) rider tub
主にパイロットウォッチなどで、グローブをはめたままで回転ベゼルの操作ができるよう、ベゼルの表面につけられた突起のこと。 90度ずつ四箇所についているのが一般的です。 またライダータブ上に数字やマーカーを付けることで逆回転防止ベゼルなどではカウントダウンタイマーの指標としても活用され、時計を何かにぶつけた際には風防を直接衝撃を受けないようにするなど、装飾として以外にも機能的な役割の大きいパーツです。 ブライトリングの時計に見られるパーツです。
ライン (らいん) Lines
時計の本場スイス、ドイツなどで使われているムーブメントのサイズの単位のこと。
フランス語ではリーニュといいます。
1リーニュ = 2.256ミリ
ラグ (らぐ)
ベルトやブレスレットとケースの連結部分のこと。
ラグがなく直接ベルトをケースに取り付けているもの、
ラグがケースと一体化しているもの、ケースにラグを取り付けてあるものがある。。
極希にラグが無い腕時計もありますが、腕時計には基本的にラグが存在します。
ラジウム夜光塗料 (らじうむやこうとりょう) radium
硫化亜鉛と臭化ラジウム、メソトリウムを合成したラジウム性夜光塗料のこと。
1938年にパネライがイタリア海軍に納入する時計としてラジウム塗料を使用した時計「ラジオミール」を製作した。
1990年代以前までは夜光塗料として一般的に使われていました。
放射性物質のため、現在は一般的には使われていない夜光塗料です。
ラチェット (らちぇっと) ratchet
動作方向を一定に保つための機構のこと。
機械工学用語です。
腕時計の場合では、逆回転防止ベゼルに使用されています。
ベゼルを回転させるたびにカチカチと爪を乗り越える形になっていて、逆方向には回らないようになっています。
工具に用いられることが多い機構です。
ラム (らむ) Lamb
12ヶ月未満で永久門歯がない仔羊の皮(革)のこと。
肌あたりが良いが、水や汗のような水分に弱い。
ラ・ショー=ド=フォン (ら・しょー=ど=ふぉん) La Chaux-de-Fonds
世界的な時計産業の中心地。
「時計の帝都」とも呼ばれるほどで、ジラール・ペルゴ、タグ・ホイヤーなどが本社を置いています。 また、世界最大規模の時計の博物館である国際時計博物館(英語版)が設けられています。
コミューン自体の成立は1656年で、1780年以降に時計製造業、 レース製造業、金属細工などにより経済発展を遂げますが、1794年の火災で町の建造物群は一度焼失します。
その後計画都市として再建していく過程で、居住空間と時計工房は同じ建物の中で接近していき、20世紀初頭には工場とともに建物も特殊化していきました。 1900年、ラ・ショー=ド=フォンは世界の時計生産の実に55%を担っていたのです。

ラ・ショー=ド=フォンは2003年、国際産業遺産保存委員会(TICCIH)産業遺産の製造業部門に登録され、 2009年には隣接するル・ロックルの中心市街とともに「ラ・ショー=ド=フォンとル・ロックル、時計製造業の都市計画」の名でユネスコ世界文化遺産に登録されました。
現在、機械式時計の聖地と言われ観光地としても人気のスポットです。
リザード (りざーど) lizard
その名の通り、トカゲの皮のこと。
高級感がある割には価格が安く、牛革よりも水や汗に強い。
リザードは世界各地に3000種類が生息し、このうちバンドにはリングマーク・ベンガル・アグラ・オーバルなとが利用されている。
模様が小さいため主張がなくどんなタイプの時計にもマッチします。
リザードレザーは腕時計だけでなく、革製品としても一般的な素材です。
リダン (りだん) redone
劣化した腕時計の文字盤・インデックスの補修・書き換えを行なうこと。
かすれや欠けなどがなくなるので視認性は格段に改善されるが、正規店以外で行なった場合は、以後オリジナルとしての評価がされなくなってしまう可能性もある。
また、オリジナル本来の雰囲気が失われることもある。
悪意を持ってリダンを行う人もいるので要注意。
リピーター (りぴーたー) repeater
現在の時刻を鐘の音で知らせる機構のこと。
15分単位で知らせるクオーター・リピーター、5分単位で知らせるファイブミニッツ・リピーター、1分単位で知らせるミニッツ・リピーターなどがある。
(4種の鐘で音楽を奏でる機構であるウエストミンスターチャイムや、自動的に人形が動く機構であるオートタマ、ゾネリという自動的に一時間、15分単位を知らせる複雑機構をさらに組み合わせたものもある。
この機能が搭載された腕時計は一部の時計師しか製造出来ないため、非常に高価になります。
リファレンスナンバー (りふぁれんすなんばー) reference number
メーカーがつけたモデルを識別する型式番号のこと。
通常時計の裏蓋、タグ、カタログなどに記されており、数字、アルファベットの組み合わせにより表記されている。
各モデルごとにユニークな番号が割り当てられている。
モデルを特定するために必要です。
各ブランド毎に独自な番号付けがされています。
略してRef.やレフ番号と呼ばれることもあります。
型式番号と同義です。
リベット (りべっと) rivet
ブレスレットのコマを連結する棒状の留め具のこと。
アンティークウォッチに多く見られ、現行品ではほとんど採用されていません。
リュウズ (りゅうず) crown
時計の側面についている時刻や日にちを合わせるためのツマミのこと。
手巻き時計ではゼンマイの巻き上げにも使用します。
漢字で『竜頭』と書く。
カタカナで表記されることが多いため英語と勘違いされることが多いですが、英語では"クラウン"といいます。
リューズと表記することが多い。
リューズ (りゅーず)
時計のゼンマイを巻き上げるツマミ。
時刻合わせをする際にも使用します。
漢字で"竜頭"と書きます。
リュウズ。
リューズガード (りゅーずがーど)
リューズを防御するためのパーツ。
リューズサイドにあるものだけでなく、リューズを覆う蓋のようになっているものもあります。
その名の通り、大切なリューズを外部からの衝撃から守る働きを持っています。
ロレックスのようなオーソドックスなタイプから、 パネライのとうな大型のタイプまで様々なタイプがあります。
腕時計に必ずしもあるというわけではありません。
アンティークのような古い時計や、ドレスウォッチには無いことが多いです。
元々スポーツウォッチ用に開発されました。
リングロックシステム (りんくろっく しすてむ) Ring lock system
リーニュ (りーにゅ) ligne
フランス語で大きさを表す単位のこと。 英語ではline、日本語では型がこれにあたります。
ちなみに1リーニュは約2.256ミリで、記号は'''と表記します。例えば20'''=約45mmとなります。
現在では主に時計のムーブメントサイズを表す際に使用します。
リーフ
リーフハンド (りーふはんど)
時計の時刻を示す針の一種で葉の形をしている針のこと。
リーフ針 (りーふばり)
時計の針の種類の一つで細長い葉(リーフ)のような形をしている針のこと。
IWCのポルトギーゼなどに採用されています。
ルグラン (るぐらん)
1879年にロンジンが開発した世界で最初の秒針付クロノグラフのことです。1/5秒単位まで細かく計測することが可能でした。
ルビー (るびー)
赤色をしている宝石で摩耗しにくい性質からほとんどの機械式時計のムーブメントに利用されている。
時計のムーブメントに見えるピンク色の石がルビーである。
石としては、色が異なるだけでサファイヤと同一種類になります。
宝石としても有名な人気の鉱石です。
ルミノバ (るみのば)
ルミノバは光を蓄えて発行する蓄光型の発光塗料のこと。
焼けや、発光量の低下が発生しにくい素材です。
トリチウムとは違い、非放射性発光塗料です。
現行品の腕時計の夜光インデックスにはほぼ全てにルミノバが使われています。
ルミノール (るみのーる)
トリチウムから作った夜光塗料のこと。
イタリアの時計メーカー『パネライ』が開発した。
現在ではパネライの腕時計を代表する時計の名前として有名。
ルミブライト (るみぶらいと)
太陽光や照明器具の明りを短時間(約10分間で500ルクス以上)で吸収して蓄え、 暗い中で長時間(3~5時間で一部の商品は5~8時間)光を放つことができる夜光塗料のこと。
高輝度蓄光塗料ともいう。
ダイバーズウオッチに多く使われている。
昔の夜光塗料とは別のもので、昔は放射性物質を用いられており今では使用禁止となっている。
ルーレット刻印 (るーれっとこくいん) roulette seal
主にロレックスの各モデルに見られ、ベゼルの内側の文字盤の側面のあたりに「ROLEX ROLEX...」の文言、6時方向にシリアルナンバーが刻印されています。 これによりブレスレットを外すこと無く、シリアル番号を確認することが出来ます。 また高年式モデルにしか刻印されていないため、買取時にルーレット刻印の有無で査定金額が大きく変わります。
レギュレーター (れぎゅれーたー)
時計のダイアル上に時、分、秒がそれぞれ独立して表示されている時計のこと。
または時計師が機械式時計の時刻調整や精度の確認のために用いる時計のこと。
特殊なダイヤル配置のため、慣れていないと視認しづらいというデメリットがあります。
複雑機構を有するため、高価な時計の場合が多い。
レクタンギュラーケース (れくたんぎゅらーけーす) rectangular case
長方形のケースのこと。
主にクラシックなスタイルとして知られています。
初期の腕時計は単に婦人用の懐中時計にベルトをつけたラウンド型が主流でしたが、 人々のライフスタイルの急激な変化によって腕時計の需要が高まり、 従来とは別の「腕時計独自のデザイン」が求められます。
その時、カルティエが発表したのが第1次大戦の戦車のキャタピラにヒントを得た、 上下に長い四角形のレクタンギュラーケースを備えた「タンク」でした。
カルティエの他にもロレックス、ジャガー・ルクルト、ロンジン、ハミルトン、オメガなど、 現在も人気のブランドが1920~1930年代には豊富な種類のレクタンギュラーウォッチをリリースしました。
これらの中には今もアンティーク時計として人気なものも多い。
レッドゴールド (れっどごーるど) red golg
K18の組成が金75%、残りの25%が銅の合金のこと。 日本語では「赤割り」「赤金」という。 ピンクゴールドやローズゴールドと呼ぶこともある。
レトログラード (れとろぐらーど) retrograde
通常の時計の様に針が一回転するのではなく、 扇型を描き端まで行くと瞬時にスタート地点に戻り反復運動をする機構のこと。
秒針に使われることが多い。
18世紀末に開発された。
レトログラードは、修理やオーバーホールにコストがかかります。
針が戻る際にジャンプするため、剣(針)ズレなどの故障がしやすいのが難点です。
レトログラード機構 retro grade
時刻や日にちなどの表示を扇状に針が動作する機能のこと。
回転運動ではなく始点から動き始めて終点に達すると再び始点に戻る反復運動をする。
フランス語で「逆戻り」を意味している。
18世紀末頃に考案されました。
この機能を分針に採用したものを「ジャンピングアワー」、
クロノグラフノ秒針に採用した場合は「フライ・バック」という。
剣ズレしやすいというデメリットがある。
レプリカ (れぷりか) replica.
オリジナルの製作者によって作られたものを忠実に再現した複製品のこと。
コピーやフェイクともいう。
メーカーが復刻品を発売する際に"レプリカ"と名付けることもあるので注意が必要です。
レーシングウォッチ (れーしんぐうぉっち) racing watch
カーレースに対応している時計で、速度計測ができるタキメーターなどを装備したクロノグラフのこと。
タグホイヤー・カレラやロレックス・コスモグラフデイトナが有名です。
ロジウム・メッキ (ろじうむめっき) rhodium plating
シルバーの表面にロジウム(元素記号 Rh 番号45)という金属の薄膜を被覆したもののこと。
金属の色を調整したり保護するため、合金からホワイトゴールドやプラチナにも使用されている。
シルバー独特の変色や汚れを防ぎ、ホワイトゴールドやプラチナのようにとても美しい輝きをだす。
ロジウムメッキ加工を施した金属は、見た目がすべてロジウム金属の色となるため、プロでも見ただけでは、何の素材か分からなくなるほどである。
非常に白に近い輝きを持っており、ホワイトゴールドであってもプラチナのような白い輝きを見せます。
そのため、この処理がされているものは素材の判別が難しいという難点があります。
ローカルタイム (ろーかるたいむ) local time
生活を拠点としている地域以外の時刻のこと。
ワールドタイムウォッチなどでメインにする時刻。
⇔ワールドタイム。
ローザンジュ針 (ろーざんじゅばり) losange hand
細長いひし形をした針のこと。
フランクミュラーの各モデルやパテックフィリップのカラトラバなどでよく見られるタイプの針です。
ローター (ろーたー) rotor
機械式腕時計の自動巻きムーブメントにある、腕を振ることによりゼンマイを巻きあげるための半月状の部品のこと。
バックスケルトン(裏スケ)の時計であれば、ローターが回転するのが視認出来ます。
センターに搭載されているタイプや、オフセットで搭載されているものがあります。
重量のある金無垢で造られているものは巻き上げ効率が良いとされています。
手巻き時計には当然ながら搭載されていません。
ロービート (ろーびーと) high beat
21,600振動/時よりも小さな振動数の機械式ムーブメントのこと。
製造コストが低いため主に安価な並級時計に使われている。
振動数が少ないため機械に掛かる不可が少なく耐久性の高さに定評があります。
しかし、精度が低いため高級時計にはあまり使われません。
⇔ハイビート。
ローマンインデックス (ろーまんいんでっくす) roman numerals
ローマ文字で表すインデックスのこと。
ローマ文字とは、現代一般的に使用されている数字1、2、3、4、5・・・を、 Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ・・・と表す。
『ギリシャ文字』という呼称もあるが、『ローマ数字』という呼称が正しいとされています。
高価な時計に用いられることが多いインデックスタイプ。
カルティエの時計に多くみられる。
ワインディングマシーン (わいんでぃんぐましーん) watch winding machine
自動巻き時計のゼンマイを巻き上げる装置のこと。
この機械に腕時計をセットしておくことで、人が振ったり着用したりしなくても自動的にゼンマイを巻き上げることができます。
時計を回転させる観覧車のようなもの、左右に揺れるゆりかごのようなものなど、様々な種類のものがあります。
収納・鑑賞用のコレクションボックスから、技術者が自動巻き機構や精度のチェックに使用するプロ仕様のものまで、用途や対象も多様です。
自動巻き上げ機。
ワンピースケース
裏蓋がなく一体(ワンピース)化したケースのこと。
電池交換時は表(ベゼル、風防、文字盤、ムーブメントなどを取り出す)から開ける。
現在の時計ではあまり見かけることがない旧式の仕様です
構造上防水性能が低い。
ワンプッシュクロノグラフ (わんぷっしゅくろのぐらふ)
その名の通りボタン一つで操作出来るクロノグラフのこと。
スタートボタンがリセットボタンを兼ねています。
パネライなど国によっては"モノプルサンテ"と呼ばれています。
シンプルに見えますがひとつのボタンが3つの機能を持つ複雑な機構を有しています。
それにより、故障が多いこととオーバーホール料金が高価なことが難点です。
ボタンはひとつで済むため、デザインに応用が効きます。
リューズ上にプッシャーを配することで一見クロノグラフを搭載していないように見えます。
クロノグラフのバリエーションとしては、高価なモデルの搭載されることが多い上級仕様です。
ワールドタイマー (わーるどたいまー) world timer
世界各地の時刻を表示できる時計、世界時計のこと。
あらかじめ回転ベゼルに記されている都市名を12時位置に選ぶことにより、
時差計算の必要なく世界主要都市の標準時を知ることができる。
非常に複雑な機構を必要とするためワールドタイマーを搭載している時計は高価なものが多いです。
自身のメインとなる時刻はローカルタイムという。
ブランドによっては"ワールドタイム"ともいう。
三大時計メーカー (さんだいとけいめーかー)
パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、バセロン・コンスタンチン。
いずれもスイスの有名老舗高級時計ブランドで、雲上ブランドとも言われています。
圧倒的な技術力を持つ老舗マニュファクチュールです。
それぞれブランドごとに得意とする分野があります。
パテックフィリップは、高品質なムーブメントを含む総合的な完成度の高さ。
ヴァシュロンコンスタンタン(バセロンコンスタンチン)は、ケースの外装仕上げ。
オーデマピゲ(AP)は、宝飾とスポーツ性能。
しかし、得意としない分野においても他社の追随を許さない高いレベル持っています。
ドイツやイタリアなどのメーカーが含まれないため、スイス3大時計メーカーと言われることが多い。
不定時法 (ふていじほう)
時間を刻む間隔が、日の長さにより異なる時刻法。
一日を昼と夜の二つに分けて、さらに6等分した長さを“一刻”と表した。
時計が無かった江戸時代まではこの方法が主流だった。
世界時計 (せかいとけい) World clock
世界各地の地域の時刻を表示できるようにした時計のこと。
非常に複雑な機構が必要なため製造出来るメーカーはほんの一部です。
パテックフィリップのワールドタイムが有名です。
実用時計よりも、コレクタブルな超高級時計という位置づけです。
ワールドタイマー。
両開き式 (りょうびらきしき) double folding clasp
バックルの接合部分が両側に開くタイプのバックルです。開閉のためのプッシュボタンがついていることが多くなっています。またバックル部分が隠され、ブレスと一体的なデザインとなっているタイプのものもあります。カルティエの各モデル等で採用されています。
中三針 (なかさんしん) center second
中央のダイヤルで時分秒を計るタイプのものをこう呼びます。
これに対して秒針だけが6時位置などに独立しているタイプはスモールセコンドといいます。
腕時計の前身である懐中時計ではスモールセコンドが一般的でした。
所謂センターセコンドのこと。
丸穴車 (まるあなぐるま) crown wheel
このパーツはキチ車の回転力を角穴車、または角穴中間車に伝達する歯車です。
リューズを回転させると、巻真ツヅミ車キチ車丸穴車→角穴車→香箱真へと力が伝わり、ゼンマイを巻き上げる仕組みになっています。
二重ロック式 (にじゅうろっくしき) double lock system
片開き式のバックルの開く部分に、更に留め金が付いている形になっています。
これにより二重にロックができ、バックルが解除されにくくなっています。ブライトリングなどがこの形式のバックルをよく採用しています。
ダブルロッククラスプとも言います。
作動カム式 (さどうかむしき) cam system
作動カムは往復運動することでクロノグラフの司令塔の役割を果たしています。
「上作動カム」と「下作動カム」の2パーツで構成され、全体の往復運動でクロノグラフのスタート・ストップ・リセット全ての動作が制御されています。
作動カムは押すことでシーソー状に動かすようになっているため、操作感がカチッとはっきり伝わってくるという特徴があります。
分針 (ふんしん) minute hand
時刻の分を示す針のこと。
時針より長いものが多い。
ムーブメントの二番車に付けられている。
長針と呼ぶこともある。
アナログ時計に必ずあります。
切りテンプ (きりてんぷ) cut bimetallic balance
温度変化による精度の誤差を補正するための機能が付いたテンプのこと。
てん輪に熱膨張率の異なる2種類の金属を貼り合わせてあり、且つテン輪の一部が切れている。
温度が上昇するとテン輪が小さくなり、 ヒゲゼンマイの熱膨張や弾性低下による精度の遅れを相殺することが出来る。
温度が低下した場合は逆にテン輪が大きくなり、 ヒゲゼンマイの進みの特性を補正できる仕組みになっている。
原子時計 (げんしどけい) atomic clock
今日最も正確な時計として、標準時の基準とされています。
電波時計もこの時計を元に作られた正確な時刻情報を受信して時刻を合わせています。 現在最高精度のもので10-15乗(3000万年に1秒)の誤差、精度の低いものでも10-11乗(3000年に1秒)の誤差という超高精度を誇ります。 セシウム原子時計、水素メーザー型原子時計、イッテルビウム光格子時計などの種類があります。
受け板 (うけいた) bridge
地板とこの部品でムーブメントのパーツを挟んで固定しています。形状やデザインは時計やメーカーによって多種多様です。受けとも呼ばれます。
受け石 (うけいし)
ムーブメントのテンプや歯車などを支えるための軸受で回転時に摩耗するのを防ぐためルビーが使われることが多い。
油溜りと言われる窪みがあり油を保持する役割もある。
内側は穴石、外側は受け石。
和時計 (わどけい)
江戸末期から明治初期につくられた時計で、当時用いられていた不定時法に対応している機械式時計のこと。
昔時計や日本時計、大名時計とも呼ばれている。
現在の時計とは大きく異なり、大型である。
地板 (じいた) main plate
ムーブメントの土台。
この土台となる板に様々なパーツが取り付けられる。
また地板の裏側には文字盤が取り付けられる。
均時差 (きんじさ) equation of time
季節によって変化する一日の長さと、その平均である24時間との差のことです。太陽と地球の公転軌道は正確には真円ではなく、楕円形を描いています。これにより太陽が空を1周する時間は一年を通して変化していき、23時間44分~24時間14分となります。これらを平均である24時間と比較して算出される-16分~+14分の誤差のことを均時差と呼びます。
夜光塗料 (やこうとりょう)
文字盤、針に光を蓄えて発光する物質を塗り、夜間の視認性を高めたもの。
現在は硫化亜鉛 (ZnS系) やアルミン酸ストロンチウム (SrAl2O4系)が使われている。
トリチウムやルミノバと呼ばれているものが夜光塗料です。
以前はトリチウムでしたが、現在の主流はルミノバです。
電気を使わない畜光性の塗料のため、発光時間はそれほど長くありません。
こまめに光を蓄えることで暗闇の中でも視認可能になります。
時計に一般的に塗られている塗料ですが、夜光塗料が塗られていない時計もあります。
ロレックスでは、スーパールミノバと呼ばれるより発光性の強いものが使われています。
発光色はグリーンですが、最近ではブルーなどに発光するクロマライトがあります。
天真 (てんしん)
ムーブメントにあるテンプの中心軸のこと。
この中心軸にヒゲなど様々なパーツな取り付けられている。
姿勢差 (しせいさ) effects of gravity
時計を上下左右、横向き等に傾けた時に表れる精度差のこと。
機械式時計の性質上、テンプの振動周期は重力のかかる方向によって影響を受けます。
これにより生じる精度差のことを姿勢差と呼びます。
この誤差を相殺することで限りなくゼロに近づけたのがブレゲの開発したトゥールビヨン機構です。
定時法 (ていじほう)
時間を刻む間隔が常に一定である時刻法のこと。
故に1時間、1分、1秒の間隔は、1年を通していつでも一定間隔である。
現在の時刻法は定時法を用いている。
定革 (ていかく) fixed ring
腕時計のベルトの剣先を収めて固定するための部品です。
固定されている定革に対して移動できるものは「遊革」と呼びます。
腕時計を脱着する際の定革への負担は遊革以上に大きく、特に毎日使用する場合は消耗品として定期的な交換が必要です。
小鉄車
リューズの回転を時刻合わせに伝達するパーツのこと。
これがないと時刻を合わせることが出来ません。
尾錠 (びじょう) buckle
帯革・ひもなどの先端に取り付けて、それぞれの端を寄せてとめるための金具のこと。
腕時計の場合、バンドの端に取り付けられている金具のことを言う。
バックルの一種です。
Cバックルと呼ぶこともあります。
シンプルな構造なため、Dバックルとは違い安価な時計に採用されていることが多い。
Dバックルとは異なりその都度サイズを変更することが可能。
巻真 (まきしん) winding stem
リューズとつながっており、ゼンマイの巻き上げ、時刻合わせ、カレンダー調整を行うための操作軸のこと。
平ヒゲ (ひらひげ) flat balance spring
外端部分も含め全てまったいらな形状をしています。現在もっとも一般的な構造であると言えます。
平ヒゲと対をなす種類のヒゲゼンマイとして、巻上げヒゲという種類のものがあります。
懐中時計 (かいちゅうとけい) pocket watch
ベルトがなく、懐、ポケットなどに入れて持ち運びする携帯用の時計のこと。
ポケットウォッチともいう。
鎖やヒモ等を着け使用する。
19世紀までは懐中時計が主流であり、その後20世紀になり腕時計が主流になった。
現在でも懐中時計を腕時計に改造したものを発売しているメーカーがあります。
鉄道員が愛用していることから、鉄道ファンに人気です。
浴衣着用の際は、腕時計よりも懐中時計というのが一般的のようです。
腰に下げて使うため、下げ時計とも呼ばれます。
手巻き時計 (てまきとけい) manual winding
リューズをまわしてゼンマイを巻きあげるタイプの機械式時計。
止まったらその都度巻き上げる必要がある。
しかし構造が単純なために壊れにくいというメリットがある。
巻き上げ完了後にリューズを回すとゼンマイが切れてしまう恐れがある。
自動巻が誕生するまではこの手巻き式が主流でした。
現在では高価なフォーマル時計に用いられることが多い。
ローターが無いため裏スケの時計だとムーブメントが美しく映えます。
ハンドワインドとも言います。
指示差 (しじさ)
時計が表示している時刻と標準時刻との差。
いわゆる進みや遅れのこと。
振り子時計 (ふりこどけい) pendulum clock
ガリレオ・ガリレイが発見した振り子が一定の周期で揺れる性質を利用して作った時計。
1657年頃にクリスティアーン・ホイヘンスによって発明された。
ギネス認定の世界一大きな振り子時計が新宿NSビル内にある。
昔ながらの時計。
腕時計には、この方式は用いられていない。
振り座 (ふりざ) roller
テンプの中心にある天真に圧入されています。この振り座の上に振り石が設置されています。パテック・フィリップ等一部のブランドでは円盤状ではなく、鼓のような形をしていることもあります。
振り石 (ふりいし) impulse pin
振り座に取り付けられた石のことで、アンクルからエネルギーを受け取る役目があります。テンプはこのパーツを基点として振動しています。
振動子 (しんどうし)
時計の心臓として用いられる、振動を発する物体のことです。振動体、発振子とも言います。調進機に組み込まれています。代表的なものとして、振り子、テンプ、水晶などが挙げられます。
振動数 (しんどうすう)
機械式時計におけるテンプの振幅数のことで、 1秒間に何振動したかという表現と、1時間に何振動かという表現の2種類がある。
例えば、1秒間に“10振動”という表現と1時間に“36000振動”というのは、 同じ意味であるようにどちらの表現でも問題はない。
振動数が多ければ多いほど時計としての精度が上がる。
しかし、振動数が多いと故障する原因にもなります。
振動数を計測することで真贋を判別することも可能。
文字盤 (もじばん) dial
時刻を指し示す数字などが書かれている時計のフェイス部分のこと。
一般的には『ダイアル』ともいう。
文字通り、文字(インデックス)が書いてある盤面。
"エト"などと呼ばれることもある。
日差 (にっさ) daily rate
時計の1日の進み、遅れの度合い。
機械式時計の場合は10~20秒である。
クォーツの場合は年差5秒程度。
歩度と表記することもあります。
進む分には問題ないが、遅れが出始めるとオーバーホールをする必要があります。
メーカーによっては歩度ともいう。
日常生活用強化防水 (にちじょうせいかつようきょうかぼうすい) intensive practical waterproof
具体的な数値としては5気圧~10気圧前後の防水性能のことを指し、水仕事やシャワーには耐えられるが水泳や潜水等での着用は不可とされています。
日常生活用防水 (にちじょうせいかつぼうすい) practical waterproof
具体的には3気圧程度の防水性能のことをさします。 あくまでも日常的な手洗いや小雨を想定しているため、水に浸けるなどは基本的に不可となっています。 水道水などの水流も厳禁です。
日送り車 (ひおくりぐるま) date indicator driving wheel
カレンダー機構の部品のひとつで、カレンダーを早送りで修正する部品とは別のものです。
多くの場合時計の針が午後8時~午前3時のタイミングで、日送り車の爪がカレンダー盤と噛み合うようになっています。そのため、カレンダーの早送り機構がついている時計では、この時間帯にカレンダーの早送り操作をしてはいけません。
時計 (とけい) watch,clocks
時間を計測・確認するための機械。
壁掛け時計、懐中時計、置き時計、腕時計など様々なタイプがあります。
ウォッチは、腕時計。
クロックは、置き時計。
このサイトでは、主に腕時計を紹介しています。
雑誌などでは"タイムピース"と表現することもあります。
時針 (じしん) hour hand
時刻の時間を示す針のこと。
分針よりも短いものが多いため、短針と呼ばれることが多い。
アナログ時計には必ずあります。
植字 (しょくじ) typesetting
文字盤にインデックスやロゴを取り付けること、及びその文字自体のことです。植字のもの以外の、文字盤の裏側からプレスして文字を浮き上がらせたものも含めるとアプライドインデックス、アプライドインデックスと呼びます。
機械式時計 (きかいしきとけい)
ゼンマイを巻き、ほどける動力を利用して動く時計のことを機械式時計という。
ゼンマイの巻き方には『手巻き』と『自動巻き』の2種類がある。
手巻はリューズを回すことにより巻き上げを行う。
自動巻きは着用時に手の動きの反動を使って内部のローターで巻き上げる。
電気や電池は不要だがクォーツとは違い、一日に10~20秒の時差が生じる。
機械という事からクォーツを機械式と勘違いする人も多い。
メカニカルと呼ぶこともあります。
高級時計としては一般的な駆動方式。
機械式以外には、音叉式やクォーツ式があります。
櫓時計 (やぐらどけい)
機械を収める部分が火の見櫓のような四角い台の上に置かれた和時計のことです。台の中のおもりを動力として動作します。昼夜の時刻の目盛間隔を変えた文字盤が何種類かあり、季節に合わせて切り替えたり、文字盤上の時刻目盛りをずらして間隔を替える割り駒式と呼ばれる文字盤を採用していました。
歩度 (ほど) rate
機械式時計の進み、遅れの程度のこと。
主に日差、月差、年差で表す。
一般的に遅れが出始めるとオーバーホールが必要と言われています。
セイコーのような日本のメーカーでは歩度に表記しています。
水平クラッチ方式 (すいへいくらっちほうしき) horizontal clutch system
クロノグラフの動力伝達方式の一種である水平クラッチ方式のうちにも、カップリングクラッチ方式と、スイングピニオン方式の二種類があります。
カップリングクラッチ方式では、大きなアーム状のカップリングクラッチが横にスライドすることでクロノグラフのスタートとストップが制御されます。
懐中時計のクロノグラフに多く採用されており、古典的な機構です。
他方のスイングピニオン方式では、小型のクラッチが四番車と連結するスイングピニオンという円柱状の歯車を斜めに傾かせることによって、クロノグラフの動力のスイッチの働きをしています。省スペースと簡素であるのが特徴で、こちらは小型なものや自動巻きのクロノグラフに採用されるケースが多いです。
水晶振動子 (すいしょうしんどうし) quartz crystal unit
水晶(クォーツ)の結晶に電圧を加えることで得られる圧電効果を利用し、高精度の発振をつくりだす時計の心臓部にあたる機構に用いられています。
機械式時計で言えばテンプにあたる部分が、クォーツ時計の水晶振動子です。
消費電流 (しょうひでんりゅう) consumption
クオーツムーブメントを駆動させるために必要な電流の値のことです。歯車やアナログ針などの可動部のあるクオーツムーブメントでは、この部分にある汚れや埃によって駆動に負荷がかかると消費電流が大きくなってしまい、バッテリーを消耗してしまうことがあります。
温度差時計 (おんどさどけい)
気温の変化から動力を生み出す時計のことです。ガスの膨張と収縮によってゼンマイを巻き上げます。1928年にスイス・ニューシャテルのジャン・レオン・ルターによって考案され、ジャガー・ルクルトがアトモスとして商品化しています。
無反射コーティング (むはんしゃこーてぃんぐ) glareproof coating
映り込みや光の反射を低減するために風防ガラスに施されたコーティングのこと。
風防にコーティングすることにより光の反射を防ぎ、ダイヤルの視認性を高めることができます。
両面コーティングと片面コーティングがあります。
コーティングがしてあるものは風防の表面に青みがかかります。
ブライトリングの時計が有名。
無垢 (むく) pure
単一の素材で製造されたケースのこと。
時計の世界における無垢とは、14金や18金など単一の金属素材で製造されたケースなどの部品を意味します。
金無垢のケースと言えば金メッキのことではなく、ゴールド素材でできたケースのことです。
貴金属業界の無垢とは少し意味合いが異なります。
片振り (かたふり) out beat
片振りがひどい場合はテンプに伝わるエネルギーのロスが大きくなり、パワーリザーブが落ちるなどの症状が現れます。テスターを使って計測することもでき、基準値を超えた際には調整が必要です。
片開き式 (かたびらきしき) fold over clasp
この形式はロレックスで多く採用されています。オメガなどには、バックルを開閉させるためのプッシュボタンが付いているものもあります。
独立時計師 (どくりつとけいし) independent horological creator
時計師によっては他の時計職人と共同で時計を製作したり、パーツ全てを自作する職人など、製作スタイルは多様です。
1985年には独立時計師の団体である、通称アカデミー(Horological Academy of Independent Creators(AHCI))がスイスのジュネーブに設立されています。 現在は独立時計師が立ち上げたブランドが多く存在します。
玉ねぎ型リューズ (たまねぎがたりゅーず)
玉ねぎのような形をしたリューズのこと。
クロノスイス等の時計に採用されています。
独特の形で操作性の高さが魅力です。
機能としては通常のリューズと同様。
白金 (はっきん) platinum
白金族元素のひとつ、プラチナ。
元素記号Pt。
酸化されにくい安定した物質で、可塑性、展延性に富み、高温で熱しても変化しない。
白色で光沢のある美しい輝きをしているため装飾品に使われる。
その他自動車の排気ガス浄化触媒、燃料電池の電極、液晶パネルの製造、コンピュータのハードディスクなど工業用としても利用されている。
日本では結婚指輪として人気がある。
ホワイトゴールドと似ているため、混同されることが多いが全く異なる素材である。
比重が金より重いため、同じ大きさであればプラチナのほうが高価である。
時計にもよく使われる素材だが、アクセサリーに使うのが一般的。
石 (いし)
ムーブメントに使われている軸受のこと。
テンプや歯車などの軸を支える役割をする。
回転時に摩耗するのを防ぐため、摩擦に強い天然ルビーが使われることが多い。
内側は穴石、外側は受け石という。
石の数が多ければ多いほど良いとされる時代もありました。
磁気帯び (じきおび) magnetization
時計の部品、主にムーブメント内の部品が磁気を帯びることです。ムーブメント内部が磁気を帯びるとテンプや脱進機の動きに磁力が干渉してしまい、大きな精度の誤差に繋がることがあります。キズや破損ではないため修理には部品の交換などは必要なく、磁力を取り除くことで比較的容易に修復できます。
秒針 (びょうしん) second hand
時刻の秒を示す針(剣)のこと。
6時や9時位置に設置されるインダイヤルの秒針をスモールセコンドといい、
ムーブメントの四番車に付いている。
パテックフィリップの時計には4時位置についているものもあります。
秒針がない時計も多く存在する。
積算計 (せきさんけい) counter
クロノグラフで計測した時間の累計を表示できる機能のこと。
分や時を積算表示表示します。
クロノグラフであればインダイヤルに基本的に搭載されています。
穴留め式 (あなどめしき) pin buckle
ベルトに開いた穴に尾錠を通して腕時計を装着するタイプのバックルの形式です。 これが革ベルトを採用している各モデルでは一般的な種類のバックルとなっています。
穴石 (あないし)
ムーブメントのテンプや歯車などを支えるための軸受でのこと。
回転時に摩耗するのを防ぐためルビーが使われることが多い。
内側は穴石、外側は受け石。
竜頭 (りゅうず) crown
時計の時刻合わせのために利用するムーブメントから突き出た部品のこと。
一般的には時計本体(機械)の右側に配置され、竜頭を引っ張ることにより時刻設定モードとなる。
変更が完了したら竜頭を押し戻すことにより、通常モードとなる。
リューズ。
筒カナ (つつかな) cannon pinion
筒状の形状をしているカナのことで、この筒カナを使用することにより時間調整ができます。
シンプルなタイプの二針・三針タイプの時計では二番車と連動して動きます。
緩急針 (かんきゅうけい) regulator
ヒゲゼンマイに接しており、緩急計を左右に移動させることでヒゲゼンマイの長さを微調整して時計の進み、遅れを調整するもの。
耐磁時計 (たいじとけい) anti magnetic watch
外部からの強い磁力にさらされても磁気を帯びない時計のこと。
ケースが特殊構造になっていて耐磁になっているものは一般的。
電気工事士や鉄道員に支持されています。
ロレックス・ミルガウスやIWCインヂュニア、オメガ・レイルマスターが耐磁時計。
以前は多くのメーカーが作っていたが、現在は限られた数モデルが存在するのみ。
アンチマグネティックウォッチ。
脱進機 (だっしんき) escapement
「ガンギ車」と「アンクル」で構成されている、テンプに対して往復運動するための力を与え続けるとともに、テンプからの規則正しい振動で輪列を制御している。
エスケープメントのこと。
オメガのコーアクシャルが有名。
自動巻き時計 (じどうまきとけい) automatic
腕を振ることによりムーブメント内の三日月形をしたローターが回転してゼンマイが巻きあがり、そのほどける動力を利用して動く時計のこと。
『オートマチック』ともいう。
現在の機械式時計で最も主流の方式です。
手巻き時計とは違い巻き上げすぎでゼンマイが切れるということが起きません。
オートマチック。
複雑時計 (ふくざつどけい)
複雑な機構を持った機械式時計のこと。
ミニッツリピーターやトゥールビヨンのような時計の事を複雑時計といいます。
製造には高い技術を要し、熟練の時計師でなければ組み立てることが出来ません。
時計マニアに好まれ、非常に高価でありながら人気を得ています。
コンプリケーションウォッチと呼ばれることもある。
角穴車 (かくあなぐるま) ratchet wheel
手巻きの時計ではリューズを介した歯車と、自動巻きの時計は自動巻き機構の歯車と、それぞれがこの歯車と連動して動作することでゼンマイが巻き上げられます。
香箱真と噛み合うため、穴が角型になっていることから角穴車と呼ばれています。
逆回転防止のためコハゼでロックされています。
触読式時計 (しょくどくしきどけい)
視覚ではなく、触覚によって時刻を読み取ることが可能な時計のことです。風防がなく、針やインデックスを指で直接触ったり、振動することで現在時刻を確認できるようになっています。
調速機 (ちょうそくき) governor
機械において回転などの運動の速度を、負荷の変動などに対応して一定に保つように調整する装置のこと。
機械式時計『テンプ』『振子』という。
脱進機。
足 (あし)
ケースの上下についているベルト、ブレスレットとケースを連結するための部分のこと。
『ラグ』という。
輪列 (りんれつ)
機械式時計ではゼンマイのほどける動力が歯車に伝わり次々と連動しているがその歯車の集まりのこと。
2番車、3番車、4番車と次々に動力が伝わり、その力がガンギ車で一定振動に切り替えられている。
遊革 (ゆうかく) free ring
ベルトの端を収めて固定するための部品で、位置を移動できるようになっています。固定された「定革」とセットになっています。
きつすぎると剣先が入らず緩すぎては用を為さないため、作成する際にはバランスの調整が重要なパーツです。
鍵巻き (かぎまき)
ゼンマイを鍵で巻く時計のこと。
主に古い懐中時計や壁掛け時計でみられる。
腕時計で見かけることはほとんどありません。
鎖引き (くさりひき) Fusee
その名の通り、鎖を用いてゼンマイに動力を伝える機構のこと。
ゼンマイの力を補正することで、トルクが一定に保たれるようになっています。
チェーンフュージーともいう。
防水 (ぼうすい) waterproof
時計の内部に水が浸入するのを防ぐ機能のこと。
一般には、完全防水、生活防水、日常生活防水などの呼称があるが正式な規格ではない。
JIS(日本興業規格)において、電気機械器具の外郭による保護等級のうち水の浸入に対する保護等級として0級から8級までの防水性能が規定されている。
メートル表記と気圧表記の2タイプがあります。
一般的には200m防水以上の時計をダイバーズウォッチといいます。
200m防水は、20気圧防水という意味で水流などで圧がかかるため実際に200mの水深での着用は出来ない。
電池式時計(クォーツ) (でんちしきとけい(くぉーつ))
電池(バッテリー)を動力に動く時計のこと。
機械式時計に比べかなり精度が高い(年差0.2~2秒)。
1969年にSEIKO(セイコー)が世界で初めて開発した。
水晶の振動を時刻調整に使っています。
電池を2年~3年に一度交換する必要があり、電池交換を怠るとバッテリーが液漏れをおこし、ムーブメントが壊れてしまうことがあります。
電池交換を行えば基本的にメンテナンスが不要のため、維持費が安いというメリットがあります。
現在はクォーツと機械式を組み合わせたスプリングドライブというタイプもあります。
クォーツとは、水晶のことです。
電波時計 (でんぱとけい) radio clock
標準電波を受信して誤差を自動修正する機能を持つ時計のことである。
通常、標準電波の受信は日に数回行われるのみであるため、 前回の受信から次回の受信までの間の精度は、その時計自体に依存する。
日本には「JJY」と呼ばれる標準電波の送信局があり、 福島県大鷹鳥谷山のおおたかどや山標準電波送信所(送信周波数40kHz)と、 福岡県と佐賀県との県境に位置する羽金山のはがね山標準電波送信所(送信周波数60kHz)の2つの送信所で、 ほぼ日本全国をカバーしている(ただし先島諸島、小笠原諸島などは範囲外。
また日本と時差のない韓国の全域も電波が届くために日本製の電波時計がそのまま使用できる。
ケースなどにラジオコントロールと書いてあれば電波時計です。
ソーラーバッテリーシステムと組み合わされることが多い。
音叉時計 (おんさとけい) tuning fork watch
音叉の振動の安定性を利用した電池式時計のこと。
動力的には電池で駆動されているが、機械の内部に小さい音叉が埋め込まれていて、その音叉の振動360hz(360/秒)を特殊歯車に伝えることにより動作する。
機械式時計より10倍近い精度を持つが、その後さらに精度の高いクオーツ式時計が開発されたために現在はほとんど製造されていない。
ブローバ社のアキュトロンが有名。
風防 (ふうぼう) Glass
文字盤、針を保護しているカバーのこと。
ガラス、プラスティック、サファイアクリスタル等の素材がある。
また形はフラット、ドーム、ファセット(表面に面を持たせるもの)がある。
一部ではプラスチック風防のみを指して風防と呼ぶこともある。
基本的に腕時計全てに風防が搭載されている。
飽和潜水 (ほうわせんすい)
香箱 (こうばこ) barrel
ムーブメントにあるゼンマイを収めているの箱のこと。
円柱形をしている。
香箱真 (こうばこしん)
ゼンマイを巻きつけるための棒状の中心軸のこと。ムーブメントの香箱にある。ちなみに巻きつけられたゼンマイの外側は香真車という車とつながっている。
香箱車 (こうばこぐるま)
ゼンマイの外側に取り付けられている車のこと。
ゼンマイのほどける力を歯車に伝える役割をしている車。
ちなみにゼンマイの一番内側は香箱芯という軸に取りつけられている。
3/4プレート (3/4ぷれーと)
時計のムーブメントを3/4覆うプレートのこと。
輪列を支えており、ムーブメントの安定性を高めている。
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